教科書会社が教員に検定中の教科書を見せていた問題で、大阪府立高校の複数の教員が、検定中の高校教科書を見せられ、「謝礼を受け取った」と府教育庁に申告していたことが同庁関係者らへの取材でわかった。文部科学省は今年1月と3月に全国の小中学校の教科書について調査結果をまとめたが、高校は対象外。同省担当者は高校教科書をめぐる謝礼について「聞いたことがない」としている。

 府教育庁関係者らによると、少なくとも5人の教員が、教科書会社から検定中の高校教科書の内容を会議場などで見せられたと申告してきた。複数の教員は「大手教科書会社に意見を言った後、謝礼を受け取った」「謝礼を受け取ったと思うが、何年も前で記憶があいまい」と話しているという。大阪府以外から来た高校教員が会場にいたと話す教員もいるという。

 府教育庁は今後、教科書会社や教員から聞き取るなどして、教科書を見た時期や謝礼の内容、採択への影響などを調査し、処分を検討する。全府立高校にも調査するよう指示した。府教育庁関係者は「実態を明らかにするため、国レベルで調査すべきだ」と話す。