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心神喪失で逆転無罪 松本の弟と祖母殺害の被告

 長野県松本市で2014年4月、自宅で弟と祖母を刺殺したとして殺人罪に問われ、1審で懲役8年の判決を受けた男性被告(33)の控訴審で、東京高裁は11日、「被告は当時、心神喪失状態だった」として1審判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 大島隆明裁判長は判決理由で、被告が弟や祖母の首などを狙って多数回、果物ナイフで刺した犯行態様などは異常と指摘。控訴審での医師の証人尋問結果などを考慮した上で「被告は精神障害により、妄想の影響の強さをうかがわせるにもかかわらず、適切に考慮されていない鑑定に依拠した1審判決は合理的とは言えず、事実誤認がある」と判断した。

 1審の長野地裁松本支部判決は起訴前の精神鑑定に基づいて、被告は、心神喪失ではなく、心神耗弱状態だったと認定。弁護側は鑑定結果を争わなかったが、控訴審で心神喪失を主張し、無罪を求めていた。

 控訴審から弁護人を務めた菅野亮弁護士は「納得できる判決。1審でも鑑定結果を争っていれば、もっと早く医療措置が受けられていたのではないか」と話した。

 東京高検は「判決内容を十分に検討し、適切に対処したい」とのコメントを出した。

(中日新聞)

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