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オッサンが読んだ感想,
2006/11/21
レビュー対象商品:
マリア様がみてる (コバルト文庫) (文庫)
ネットでこの作品の簡単な内容を知り購読した。
購読前にはアニメ化されたことや周囲の評判など全く知らない。
なにせこの作品の作者とほぼ同年齢の男性だから知るはずが無い。
それでも購読したのは私が小学生の時分、この作品で描かれる"スール制"もどきを
実体験したからだ。私が4年生、相手は6年生の女子生徒。きっかけは記憶にないが
相手から「弟になりなさい」と言われ、憧れはあったが恥ずかしく断っていた。
しかし彼女が余りに世話を焼いてくれるので結局「お姉さん」と呼ぶようになった。
それからの記憶は曖昧であるが今でも脳裏に焼きついているのは彼女の卒業が近づいた時期
「早く中学校に上がってきてね、お姉さんは待っているから」と言われたことだ。
これには涙ぐんだ記憶がある。結局、私が翌年に転校したため再会は無かったが。
前置きが長くなったが、上記の実体験があったため世界観等に何の違和感も無く現状での
全巻を購読した。実際、評判のような"百合"では無い。元来、10代の女性向けの作品で
受け取り方が違うのであろう。私は作者と年齢が近いせいだろうか、少々大げさではあるが
作者の「世間に対する訴え」を描いている感じを受けた。昨今の教育、自殺、いじめ等の報道を
見るとなおさらそう思う。私も小、中学校でいじめを体験している。しかし上記の彼女や
同級生、その時分のガキ大将的存在に随分と助けられてきた。
作者はこの作品で「人間関係構築のきっかけ、重要性」を言いたいのではなかろうか。
まあ、作者の趣味も込められているのは否定しない。
若い方ももちろん、作者と同世代の子供を持つ親にも読んでもらいたい作品だ。
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