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 主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)が26日午前、開幕した。世界経済を下支えする対応策について、各国がどこまで足並みをそろえられるかが最大の焦点だ。テロ対策や難民問題などについても話し合い、最終日の27日に首脳宣言を採択する。

 日本でサミットを開くのは、2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、8年ぶり。

 安倍晋三首相は26日午前、伊勢神宮(三重県伊勢市)の宇治橋の前で各国首脳を一人ひとり出迎え、そろって神宮を訪問した。その後、主会場となる賢島(同県志摩市)の志摩観光ホテルに移動する。同日午後から2日間にわたり、「世界経済」や「政治外交」などのテーマについて話し合う。27日午後に閉幕し、議長を務める安倍首相が記者会見して、採択した首脳宣言について説明する。

 最大のテーマに掲げた「世界経済」は、26日昼の会合で協議する。安倍首相は、市場に出回るお金の量を増やす金融緩和に加え、政府が公共事業などにお金を使う財政出動と規制緩和などの構造改革に各国が協調して取り組むことで、G7が世界経済の成長に貢献する姿勢を明確にしたい考えだ。ただ、ドイツなどは財政支出を増やすことには慎重な姿勢だ。

 経済分野では、「パナマ文書」で明らかになった租税回避問題への対応や、環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとする自由貿易についても話し合う。

 その後、政治・外交分野に議題を移し、過激派組織「イスラム国(IS)」などによるテロや難民問題を協議する。テロ対策では、航空会社による搭乗者名簿の記録などを各国で共有し、テロリストの入国を未然に防ぐことなどを盛り込んだ行動計画をまとめる予定だ。

 日本政府は、南シナ海などに進出する中国を念頭にした海洋の安全保障問題、核実験や弾道ミサイルの発射を強行する北朝鮮問題を取り上げ、G7で一致して厳しい姿勢を打ち出すこともめざしている。

 27日には、気候変動やエネルギー問題のほか、アジアとアフリカから招いた7カ国首脳を加えた拡大会合で、感染症対策などについても話し合う。(鯨岡仁

■伊勢志摩サミットに参加する主なメンバー

日本   安倍晋三首相

米国   オバマ大統領

フランス オランド大統領

ドイツ  メルケル首相

英国   キャメロン首相

イタリア レンツィ首相

カナダ  トルドー首相

トゥスクEU首脳会議常任議長

ユンケル欧州委員長

■伊勢志摩サミットの主な日程

【26日】

午前

 7カ国首脳による伊勢神宮(三重県伊勢市)訪問、サミット開幕

午後

 主会場の賢島(同県志摩市)で全体会合。前半は世界経済や貿易、後半はテロ対策や南シナ海問題などを議論

【27日】

午前

 アジア・アフリカの7カ国首脳を加えた拡大会合を開催。インフラ投資などを議論

午後

 安倍晋三首相が記者会見で首脳宣言を発表

 オバマ米大統領が広島を訪問。平和記念公園で安倍首相と献花

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