オバマ大統領の広島訪問 元米兵の同行は見送り

オバマ大統領の広島訪問 元米兵の同行は見送り
太平洋戦争中に旧日本軍の捕虜となった元アメリカ兵などで作る団体は、27日に広島を訪問するオバマ大統領に同行する意向を示していましたが、NHKの取材に対し、ホワイトハウスから招待できなくなったとの通知を受けたとして、訪問を見送ることを明らかにしました。
アメリカのオバマ大統領は27日に現職のアメリカ大統領として初めて、被爆地・広島を訪れる予定で、太平洋戦争中にフィリピンで旧日本軍の捕虜となった元アメリカ兵やその家族などで作る団体は、ホワイトハウスから打診を受けたとしたうえで、メンバーを同行させる意向を示していました。
団体は元アメリカ兵の94歳の男性を広島に派遣する方向で調整しているとしていましたが、団体のジャン・トンプソン会長は25日、NHKの取材に対し、ホワイトハウスからこの男性を同行者として招待できなくなったとの通知を受けたことを明らかにし、訪問を見送る考えを示しました。
トンプソン会長は「この結果に失望している。元アメリカ兵の派遣は和解などの力強いシンボルになると思っていたので、アメリカにとっても日本との同盟関係にとっても損失だ」と批判しています。
一方、ホワイトハウスの当局者はNHKの取材に対し、「アメリカ政府として正式に招待したわけではなく、誰を招待するか調べるなかで可能性を探っただけだった」と説明しています。