中村江里子 パリからあなたへ

16年目にして初めて“パリの日本”を体験する<1>

  • 文&写真 中村江里子
  • 2016年5月24日

写真:デギュスタシオン(試飲)会場です。みんなグラスを持って会場内をまわります デギュスタシオン(試飲)会場です。みんなグラスを持って会場内をまわります

写真:唯一の「JAPON」ブースの『獺祭』。私がつくっているわけではありませんがとても誇らしい気持ちになってしまいます 唯一の「JAPON」ブースの『獺祭』。私がつくっているわけではありませんがとても誇らしい気持ちになってしまいます

写真:記念すべき(?!)初めてのラーメン屋さんは『博多 ちょうてん』。パリで初のラーメン屋さんに心躍り、メニューの日本語を読むだけで鼓動は早まります 記念すべき(?!)初めてのラーメン屋さんは『博多 ちょうてん』。パリで初のラーメン屋さんに心躍り、メニューの日本語を読むだけで鼓動は早まります

写真:ネギがたっぷりとのっているギョーザです。「やっぱりラーメンといったらギョーザでしょう」と、女性4人は食欲旺盛。辛みのきいたギョーザもおいしかったです。ギョーザだけを食べに来てもいいと思うくらいでした ネギがたっぷりとのっているギョーザです。「やっぱりラーメンといったらギョーザでしょう」と、女性4人は食欲旺盛。辛みのきいたギョーザもおいしかったです。ギョーザだけを食べに来てもいいと思うくらいでした

写真:私がオーダーしたのは一番シンプルな「豚骨ラーメン」。麺の硬さを選べたりトッピングがあったり、日本では当たり前ですが私たちにとっては感動でした 私がオーダーしたのは一番シンプルな「豚骨ラーメン」。麺の硬さを選べたりトッピングがあったり、日本では当たり前ですが私たちにとっては感動でした

写真:麺の量は日本の1.4倍だそうですが、みんな見事に完食。本当においしかったです。ごちそうさまでした 麺の量は日本の1.4倍だそうですが、みんな見事に完食。本当においしかったです。ごちそうさまでした

写真:雨が降ったり止(や)んだりという夜でしたが、お店を出て「カラオケ」に向かう夜8時半の空は明るかったです。お日様と夜の長さを大切に楽しむ季節になりました 雨が降ったり止(や)んだりという夜でしたが、お店を出て「カラオケ」に向かう夜8時半の空は明るかったです。お日様と夜の長さを大切に楽しむ季節になりました

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 先日、パリに住んでから16年目にして初めての体験をしました。“飲み仲間”でもある親しい日本人女性4人でまず向かったのは、ジャーナリスト主催のワインやシャンパンのデギュスタシオン(試飲)会場。日本でもよく知られている様々なメーカーが出展していて、グラス片手にみんな会場をまわっていました。私たちは大好きなシャンパンを試飲して程よく酔い、最後にお邪魔したブースは会場唯一の「JAPON」でした。フランスでも大人気の日本酒『DASSAI(獺祭)(だっさい)』。ここで大吟醸を試飲させていただき、お話を伺い会場を出ました。今、フランスでは日本酒がブームで、パリには日本酒専門のバーもあります。

 実は、この日の大きな目的は、その後の「KARAOKE(カラオケ)」でした。パリでカラオケ? と、思われるかもしれませんが、やはり何が恋しくなるかって、歌なのです。青春時代(?!)を思い出す歌謡曲は、こうして日本を離れるとより恋しくなり、私たちはよく口ずさんでいます。そこで、気のおけない仲間とカラオケに行くことにしました。どうしても夫と共有することができないものの一つが、この日本の歌謡曲なのです。「え~、日本のようにパネルにタッチするだけでいいのかな?」「もしかしたら、分厚い曲目リストがあるのかもよ」

 でも、その前に腹ごしらえをしなければ……。試飲会では食べるものがなかったので、おなかも空いています。時間は夜の7時半です。カラオケは8時半から予定していました。1時間で何が食べられるかしら? 向かった先はラーメン屋さん。実は、これも初めての体験です。テレビなどのお仕事でスタッフの方々が日本からいらっしゃると、早く食べられるラーメンで昼食ということはありましたが、自分がお店に向かうのは初めてでした。目的のお店に行く途中、ラーメン屋さんが何軒かあったのですが、通りに長い行列ができていました。

 ドキドキしながら入ったラーメン屋さんは『博多 ちょうてん』。店内のお客さんは、ほとんどがフランスの方々でした。ネギがたっぷりとのっているギョーザや辛みがきいたものがおすすめとのことです。私は定番の「豚骨ラーメン」を注文しました。麺は細く、オーダーする時にお店の方が「硬めと普通、どちらがいいですか?」と聞いてくださいます。お店の方がおっしゃるには麺が細いので、硬めがおすすめとのこと。替え玉があったり、私たちのテンションは上がりっぱなしです。厨房(ちゅうぼう)にいらっしゃる方々も日本のスタッフで「ここは本当にパリなのかしら?」と思ってしまうほど。

 こちらのお店も行列ができていたので、結局、席に着きオーダーしたのが8時過ぎでした。大急ぎで、でも、しっかりと豚骨のスープを味わいながら完食しました。量が多いと感じましたが、それもそのはず。麺の量が日本の1.4倍だったそうです。個人差はありますが、一般的にフランス人は食べる量が多いですからね。

 心もおなかも満たされて、さあ、いよいよ向かうはカラオケ! 続きは次回ご報告します。

 次回は6月7日の配信を予定しています。

PROFILE

中村江里子(なかむら・えりこ、Eriko Barthes)

1969年東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリー・アナウンサーとなる。2001年にフランス人のシャルル エドワード バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。妻であり、3児の母でもある。現在は、パリと東京を往復しながら、テレビや雑誌、執筆、講演会などの仕事を続ける。2016年には「フランス観光親善大使」に就任。著書に『エリコ・パリ・スタイル』(マガジンハウス)、『ERIKO STYLE暮らしのパリ・コラージュ」(朝日新聞出版)、『女四世代、ひとつ屋根の下』、『マダムエリコロワイヤル』」(ともに講談社)、新刊『ERIKO的 おいしいパリ散歩』(朝日新聞出版)と多数。

BOOK

写真

『中村江里子のデイリー・スタイル セゾン・ド・エリコ』
vol.04
(扶桑社)

丁寧に、楽しく素敵に暮らす日々をご紹介。特集はパリのマルシェ。パリの八つマルシェの魅力をご案内。サプライズイベント「ホワイトディナー」や、日本で取材したファッション企画や合羽橋めぐりも必見!見応え、読み応え十分の一冊です。

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