先日、パリに住んでから16年目にして初めての体験をしました。“飲み仲間”でもある親しい日本人女性4人でまず向かったのは、ジャーナリスト主催のワインやシャンパンのデギュスタシオン(試飲)会場。日本でもよく知られている様々なメーカーが出展していて、グラス片手にみんな会場をまわっていました。私たちは大好きなシャンパンを試飲して程よく酔い、最後にお邪魔したブースは会場唯一の「JAPON」でした。フランスでも大人気の日本酒『DASSAI(獺祭)(だっさい)』。ここで大吟醸を試飲させていただき、お話を伺い会場を出ました。今、フランスでは日本酒がブームで、パリには日本酒専門のバーもあります。
実は、この日の大きな目的は、その後の「KARAOKE(カラオケ)」でした。パリでカラオケ? と、思われるかもしれませんが、やはり何が恋しくなるかって、歌なのです。青春時代(?!)を思い出す歌謡曲は、こうして日本を離れるとより恋しくなり、私たちはよく口ずさんでいます。そこで、気のおけない仲間とカラオケに行くことにしました。どうしても夫と共有することができないものの一つが、この日本の歌謡曲なのです。「え~、日本のようにパネルにタッチするだけでいいのかな?」「もしかしたら、分厚い曲目リストがあるのかもよ」
でも、その前に腹ごしらえをしなければ……。試飲会では食べるものがなかったので、おなかも空いています。時間は夜の7時半です。カラオケは8時半から予定していました。1時間で何が食べられるかしら? 向かった先はラーメン屋さん。実は、これも初めての体験です。テレビなどのお仕事でスタッフの方々が日本からいらっしゃると、早く食べられるラーメンで昼食ということはありましたが、自分がお店に向かうのは初めてでした。目的のお店に行く途中、ラーメン屋さんが何軒かあったのですが、通りに長い行列ができていました。
ドキドキしながら入ったラーメン屋さんは『博多 ちょうてん』。店内のお客さんは、ほとんどがフランスの方々でした。ネギがたっぷりとのっているギョーザや辛みがきいたものがおすすめとのことです。私は定番の「豚骨ラーメン」を注文しました。麺は細く、オーダーする時にお店の方が「硬めと普通、どちらがいいですか?」と聞いてくださいます。お店の方がおっしゃるには麺が細いので、硬めがおすすめとのこと。替え玉があったり、私たちのテンションは上がりっぱなしです。厨房(ちゅうぼう)にいらっしゃる方々も日本のスタッフで「ここは本当にパリなのかしら?」と思ってしまうほど。
こちらのお店も行列ができていたので、結局、席に着きオーダーしたのが8時過ぎでした。大急ぎで、でも、しっかりと豚骨のスープを味わいながら完食しました。量が多いと感じましたが、それもそのはず。麺の量が日本の1.4倍だったそうです。個人差はありますが、一般的にフランス人は食べる量が多いですからね。
心もおなかも満たされて、さあ、いよいよ向かうはカラオケ! 続きは次回ご報告します。
次回は6月7日の配信を予定しています。
1969年東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリー・アナウンサーとなる。2001年にフランス人のシャルル エドワード バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。妻であり、3児の母でもある。現在は、パリと東京を往復しながら、テレビや雑誌、執筆、講演会などの仕事を続ける。2016年には「フランス観光親善大使」に就任。著書に『エリコ・パリ・スタイル』(マガジンハウス)、『ERIKO STYLE暮らしのパリ・コラージュ」(朝日新聞出版)、『女四世代、ひとつ屋根の下』、『マダムエリコロワイヤル』」(ともに講談社)、新刊『ERIKO的 おいしいパリ散歩』(朝日新聞出版)と多数。
丁寧に、楽しく素敵に暮らす日々をご紹介。特集はパリのマルシェ。パリの八つマルシェの魅力をご案内。サプライズイベント「ホワイトディナー」や、日本で取材したファッション企画や合羽橋めぐりも必見!見応え、読み応え十分の一冊です。
カナダ生まれのドリッパー
コンパクトでも画質に自信あり