国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が25日、韓国に帰国し、来年末の大統領選挙への出馬もあり得ると示唆する発言をした。潘氏はこの日、済州島で行われた寛勲クラブ(韓国人ジャーナリストによる研究・親睦団体)主催の懇談会に出席し、「来年1月1日になれば普通の韓国人になる。韓国市民として何をなすべきか、そのとき悩み、決心するつもりだ」と述べた。潘氏は今年12月31日で国連事務総長の任期が終わる。
潘氏は「南北統一は今すぐ期待するのは困難だが、国家の統合は指導者の意向さえあれば、あすにも可能だ」とした上で「誰か、大統合について宣言し、率先垂範して、国家の統合のためには何もかも犠牲にするという指導者が出てこなければならない」と述べた。
潘氏に対しては最近、与党セヌリ党の親朴(朴槿恵〈パク・クンへ〉大統領寄り)グループなどから積極的な受け入れ論が浮上している。これについて潘氏は「朴大統領と7回会ったというが、どれも公の場でのことだ。そういったことを拡大解釈して、あらぬ方向に結び付けるのは、私としてもあきれることだ」と語った。また、高齢(1944年生まれ)について指摘する声があることについては「米国の大統領選に名乗りを上げた民主党の候補は皆70代だ。1日たりとも、体調が悪くて欠勤するだの、風邪をひいて休むだのといったことはない。体力などは別問題にはならない」と述べた。
潘氏はこの日、「大統領になりたいといったことは、これまで考えたこともない」としながらも「国連事務総長になったことで、そのような(大統領選出馬に関する)話が出てきたが、人生を無駄にしたくはないし、これまで努力してきたことが評価されているんだな、と自負を感じることができ、ありがたく思っている」と語った。さらに潘氏は「南北間の対話のルートを維持してきたのは、私だけではないかと思う」とも述べた。