水戸部六美
2016年5月26日08時26分
認知症による徘徊(はいかい)で行方不明になった高齢者は、発見に時間がかかれば生存率が著しく低下していく傾向が明らかになった。当日中に見つかれば8割以上が生存しているため、地域ぐるみの早期発見の体制づくりが求められそうだ。
調査は桜美林大老年学総合研究所の鈴木隆雄所長らが厚生労働省から研究費を受けて実施。2013年度中に認知症が疑われる状況で警察に行方不明者届が出された1万322人のうち、死亡した388人を含む776人の家族に調査票を郵送し、全項目で回答のあった204人分を分析した。
発見されたのが行方不明になった当日なら82・5%が生存していたが、翌日ならその日に発見された人の63・8%、3~4日目は計21・4%と低下。5日目以降の生存者はいなかった。亡くなった人の4割以上が程度の軽い認知症で、研究班は「軽度だからという先入観を持ってはならない」と警告している。
徘徊中の高齢者の発見者は、家族や捜索関係者以外が半数を占めた。鈴木所長は「地域社会の協力が早期発見につながる」と話す。(水戸部六美)
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