2016年5月26日00時36分
安倍晋三首相は25日夜、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕を前に、オバマ米大統領と会談した。首相は沖縄県で起きた米軍属の男による死体遺棄容疑事件について米側に抗議し、実効性のある再発防止策を講じるよう求めた。オバマ氏は事件を受け、哀悼と遺憾の意を表明した。
首相は、同日夜に来日して三重県のサミット会場に入ったオバマ氏と約1時間会談した。会談後の共同記者会見で、安倍首相は19日に米軍属の男が女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件に関し、「オバマ大統領に日本の首相として断固抗議した」と述べた。
首相は「沖縄だけでなく、日本全体に大きな衝撃を与えており、こうした日本国民の感情を、オバマ大統領にはしっかりと受け止めて頂きたい」と語った。また、事件が再発しないよう「実効性のある再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めた」と述べた。
そのうえで、首相は「米軍再編にあたっても、沖縄の皆さんの気持ちに真に寄り添うことができなければ、前に進めていくことはできない」と指摘。日米で沖縄の基地負担の軽減に取り組む考えで、両首脳が一致したと明らかにした。
一方、オバマ氏は「心の底からの哀悼の気持ちと深い遺憾の意を表明した。米国は継続的にこの捜査に協力していく。日本の司法制度のもとで捜査が行われることを確保するために、私どもは全面的に協力する」と述べた。
沖縄県側からは、米軍人・軍属らが犯罪を起こした場合、米側に刑事事件の裁判権が優先される日米地位協定の見直し要求が出ている。これに対し、米側は、今回の事件の容疑者が現役の軍人ではなく、日米地位協定の適用を受けていないことなどから、地位協定の改定には応じない意向を示している。
首相は会見で「地位協定のあるべき姿を不断に追求していく」と述べるにとどめ、オバマ大統領も「日米地位協定が、日本の法体系のもとでの完全な捜査や司法に必要な措置を何ら妨げてはいないと指摘しておきたい」と、改定に否定的な見方を示した。
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