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元米捕虜、オバマ大統領の広島訪問に同行へ 「戦争犠牲者同士が対面する必要」
元捕虜らは広島訪問に複雑な心境を抱えており、21日の同団体の声明では、オバマ氏が広島で述べる所感で、日本の真珠湾攻撃が開戦の契機となったことや、米側の被害にも言及するよう要請。
フィリピンから旧満州の奉天(現中国瀋陽)などに送られ、強制労働させられたラルフ・グリフィスさん(93)は「(訪問に)反対ではないが謝罪はしてほしくない」と話した。奉天の収容所では病気や飢えで一冬に約400人が死亡。逃げ出した捕虜は捕まって殺害され、ひつぎは衆目にさらされたという。
川崎市の収容所などにいたオスカー・レナードさん(97)は「オバマ氏は米国の価値を下げている」と批判。横浜や岩手県釜石市に連行されたジャック・ワーナーさん(94)も「謝罪すべきではない」とした。
ただ、日本を憎んでいたというリランド・チャンドラーさん(93)は、教会に通い米国で日本人らと交流するうちに「過去のことだ」と思えるように。オバマ氏には「今後も良い関係を続けようというメッセージを発してほしい」と話した。(共同)