記事詳細
元米捕虜、オバマ大統領の広島訪問に同行へ 「戦争犠牲者同士が対面する必要」
元米兵捕虜らでつくる退役軍人団体「全米バターン・コレヒドール防衛兵の会」のジャン・トンプソン会長は21日、米南部テキサス州サンアントニオで、オバマ大統領による被爆地・広島訪問に同団体の元捕虜の一人が同行すると述べた。米政府の打診に応じたという。
トンプソン氏によると、同行するのはコネティカット州のダニエル・クローリーさん(94)。
トンプソン氏は21日の記者会見で、元捕虜と広島の被爆者が会う可能性を念頭に「(戦争の)被害者同士が対面する必要がある」とし、相互理解に向けた「前向きなステップと捉えている」と評価した。
米政府は元捕虜の同行により、戦争の被害者は日本だけではないということを内外に強調する狙いもあるとみられる。
同団体は、フィリピンで日本軍の連行中に多くの米兵が死亡した「バターン死の行進」の生存者や遺族で組織。クローリーさんはフィリピンの収容所などを経て1944年に日本に移送され、終戦まで栃木県の足尾銅山などで強制労働させられた。