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米政府、心から謝罪を ペリー元国防長官インタビュー

本紙の取材に答えるペリー元米国防長官=石川智規撮影

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 【サンフランシスコ=石川智規】ペリー元米国防長官(88)が二十日(日本時間二十一日)、サンフランシスコ近郊で本紙のインタビューに応じ、沖縄県うるま市の女性会社員の遺体を遺棄した疑いで、元米海兵隊員の軍属の男が逮捕された事件を受け「カーター現国防長官は心からの謝罪を行い、再発防止に取り組むべきだ」と強調した。

 ペリー氏は「今回のようなひどい事件が起きたとき(国防長官には)二つの責任がある。個人的に誠実に深く謝罪し、同時に、再発の可能性を抑えるための措置を取らねばならない」と指摘。米兵だけでなく、軍属も含めて「規律」を求める必要があるとした。

 ペリー氏は、一九九五年に沖縄県の小学生の女児が米兵三人に暴行された事件当時の国防長官。「身の毛のよだつような事件だった」と当時を振り返り、「私はすぐにワシントンをたって東京へ飛び、家族と日本のみなさんに個人的に謝罪した」と語った。

 少女暴行事件をきっかけに日米両政府は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の全面返還で一致し、ペリー氏はその意思決定にも関わった。「事件後に日米両政府に返還交渉を早く進めるよう促した。移設がいまだに進んでいないことに驚いている」とも述べた。

 今回の事件をきっかけに沖縄で米軍基地に反対する声が再燃している現状については「われわれ(米軍)は、日本の安全保障のために日本にいる必要があると考えるから駐留しているのであり、日米両政府はその必要性をあらためて明言すべきだ」と指摘。「われわれが駐留を望んでいるのではない。もし日本政府が、安全保障にとって必要がないと考えるのなら、われわれは出ていくべきだ」と主張した。

 一方、オバマ米大統領が二十七日に予定する被爆地・広島への訪問では、被爆者と会うことが望まれるとした上で「核兵器が人類にとっていかに破壊的なものであるかを現地で指摘し、二度と核兵器が使われないよう(世界に向けて)強い意志を表明するべきだ」と語った。

 <ウィリアム・ペリー> 1927年10月生まれ。米国のクリントン政権で、94年2月から97年1月まで国防長官を務めた。任期中の95年、沖縄県の少女暴行事件が起き、在日米軍の再発防止策に取り組むとともに、普天間飛行場返還などの政策決定に携わった。ペリー氏ら元米政府高官4人が核廃絶を訴えた新聞への寄稿が、2009年にオバマ米大統領がプラハで訴えた「核兵器なき世界」の演説に大きな影響を与えたことでも知られる。現在は米スタンフォード大名誉教授。

 

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