米国防長官「心から謝罪」防衛相と電話協議
中谷元(げん)防衛相は21日夜、カーター米国防長官と電話で協議し、沖縄県での死体遺棄事件で米軍関係者が逮捕されたことについて抗議した。カーター氏は「大変痛ましく遺憾な事件で、被害者と遺族に心からの深い謝罪の意を表明する」と述べた。また、カーター氏は米軍人と軍属による事件事故の再発防止に取り組むと応じた。
電話協議で両氏は、来月シンガポールで開かれるアジア安全保障会議の際に会談することで一致。日米防衛相会談は昨年11月以来で、中谷氏は記者団に「沖縄の問題、米軍人軍属の事故防止は一つのテーマだ」と語った。
これに先立ち、中谷氏は同日朝に自衛隊機で沖縄入り。同県嘉手納町の防衛省沖縄防衛局で、在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官と会った。喪服姿の中谷氏は「犠牲になった方の葬儀に参列するために沖縄に来た」と述べて、事件は「言語道断」と抗議。ニコルソン調整官は「このような事件が二度と起きないよう努める」と語った。中谷氏は井上一徳沖縄防衛局長に、再発防止策について米側と協議に入るよう指示した。
また、中谷氏は被害女性の葬儀参列後、記者団に「未来ある若い大切な命が失われたことに改めて強い悲しみと怒りを感じた」と語り、「被害に遭われた方、ご親族、県民の皆さんに大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ」とも述べて県民向けに遺憾の意を示した。【村尾哲】