在沖米軍トップに「残忍で凶悪、言語道断だ」
女性死体遺棄容疑事件
中谷元(げん)防衛相は21日午前、自衛隊機で沖縄入りし、防衛省沖縄防衛局(同県嘉手納町)で在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官と会談した。中谷氏は米軍属の男による女性の死体遺棄容疑事件について「残忍、凶悪な犯罪だ。言語道断で許されない」と述べ、強く抗議した。
中谷氏は会談で「綱紀粛正と実効性ある再発防止策を求める」と要求し、「遺族の心情に沿った対応をお願いしたい」と発言。これに対し、ニコルソン氏は「非常にショックで残念に思っている。捜査に全面的に協力し、再発防止に努める」と応じた。
政府は今回の事件で沖縄の反基地感情が高まり、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の県内移設が一層困難になることを懸念している。基地問題を所管する中谷氏の早期派遣は、参院選を前に沖縄の反発を最小限に抑える狙いもある。
中谷氏は男が逮捕された19日、記者団に「このような結果になり、被害者、ご家族、沖縄県民に大変申し訳ない」と語った。
政府はオバマ米大統領の27日の被爆地・広島入りを「日米同盟の深化を象徴する歴史的訪問」(外務省幹部)と位置付け、事件の影響拡大を防ぎたい考えだ。中谷氏は21日午後に那覇市で記者会見し、改めて陳謝する。【村尾哲】