4月のある週末。筆者は、知人とソウル郊外に出かけた。帰りの車の中で、「今日は、大気が“非常に悪い”」というラジオのニュースを聴いて、知人たちと気になった。

 1人がスマートフォンで大気汚染の指標を見たが、数字がピンと来ない。それなら東京はどうかと調べたら、「ゼロ」が1つ少ない数値だった。

 最近、韓国で話題になったニュースがある。

 米エール大とコロンビア大が共同で世界180カ国に大気汚染の実態調査をした結果、韓国は173位だったのだ。

 空気が悪くなってきたことについて、政府は「中国発のPM2.5などの影響が多い」と説明してきた。

 だから、一般国民も「中国のせいだ」と思っていた。

 ところが、最近になって、韓国内にも原因があるという指摘が増えている。その主犯が火力発電所とともに、ディーゼル車だという主張が次々と出てきた。

 ディーゼル車が排出する窒素酸化物と燃料の燃え残ったススが、大気汚染の大きな原因だということだ。

 2015年に発覚したVW事件もあって、ディーゼル車に対する関心が高まり、同時に「これまでの自動車環境政策は正しかったのか」という疑問が強まっている。

 自動車環境対策の主管はもちろん環境部だ。こうした声もあって、ディーゼル車の調査が始まったのだ。