どんなみっともない人生でも這いつくばって生きていたい――
こんにちは、氷太よ。
今日はウノハナ先生の
「ハイブリッド・スターダスト」
を頂いていくわね。
う~ん、この煌びやかな表紙。
てっきりホストのお話かと思っちゃったわ。
相変わらず絵がキレイねウノハナ先生って。
今作は善良な性格が災いして借金を背負ってしまったオッサンと、御曹司である若者のお話になっているわ。
あらすじ
「おっさん、死ぬくらいならオレのこと抱いてよ」
借金まみれで世を儚む中年男・八京大蔵の前に現れた美貌の青年・聖人。
「おっさんのカラダ、もったいないから」と差し出された手を取った大蔵だったが、連れ込まれた先は大豪邸、おまけに聖人は超有名財閥の跡継ぎだった!
「借金を肩代わりしてあげる代わりに、相手して?」と、有無を言わさず跨られて…!?
人生崖っぷちのおっさん×ワガママ御曹司の「マイ・フェア・ダンディ」物語☆
こんな感じね。
ちなみにこの「マイ・フェア・ダンディ」の部分は映画「マイ・フェア・レディ」のオマージュね。
オードリー・ヘプバーンが主演のシンデレラストーリーよ。
つまり、今回のお話は男同士でお話のシンデレラストーリーなのよ。
この「ハイブリッド・スターダスト」のお話も同じく、物語のきっかけとなったのは気まぐれと運に過ぎないものなの。
でもその選択肢がもたらしていく過程や結末を描いていく漫画になっているわね。
登場人物
八京(表紙上)
性格が災いし、多額の負債を抱えてしまったアラフォー。
出口の見えない人生に疲弊し、生きる事を諦めようとしていた。
聖人(表紙下)
天真爛漫で次期社長とされている御曹司。
立ち寄った公園で八京を見つけ、条件付で人生をやり直す提案をする。
大正義!生意気ビチビチ君です
感想
ストーリー・キャラクター
個人的な見所は、バーで聖人が他の男と遊ぼうとした時の八京の対応。
これが大人の包容力ってヤツなのか・・・。
参考になりましたどうもありがとうございます!
この漫画において、他の作品と一線を画す要素といえば会社の経営陣による人間関係も描いているという点かしらね。
人間がもつ、どうしようもない醜い所にもライトに触れているわ。
2人の日常のパートと、重役でもある聖人とそれ付き添う八京という会社内部のパートに分かれるんだけど、この会社内部の部分だけを抽出しても充分面白い。
というか個人的にはその部分の方が感情移入できるわ。
まあどっちも切っても切れない親和性を持っているんだけど。
日常の部分に関しても、無理に変わろうとする部分と自然に変わっていった部分を印象付けるシーンが散りばめられているんだけど、そこらへんの感情の移り変わりを滑らかに描写しているから不協和音が生まれていないのもGOOD。
ただ気になる点を述べると、この作品はお互いの存在にお互いが救われているというBLにおける原点回帰な設定で物語が進んでいくんだけど聖人の部分に関してはそれが弱いかな。
ううん、救われているっていうのはもちろん説得力があって伝わるんだけど、そもそも「何を抱えているのか」という部分の描写が弱いの。
突き詰めて言うと聖人は「孤独」を抱えているんだけど、その孤独が持つ切なさや痛みっていうのは伝わってくるんだけど、そもそも聖人にもたらす孤独が如何様な物だったのかというのを盛り込めればより評価が上がっていたはずよ。
絵
いつもご苦労様です!
安定のウノハナ先生です!
何もかもがキレイです!
発展
事が起こる時、一段落する度にしちゃってるわね。
もうこれでもかっていうくらい。
バスタブでもトイレでも行います。
まとめ
「犬と欠け月」のように名作と言われるに後1歩であったと言える惜しい作品。
それでも人にオススメできるくらいのレベルの高いクオリティに仕上がっているわ。
ただ発展シーンが多いから、入門書としては不向きよ。