石塚広志、熊井洋美
2016年5月26日01時40分
国内のがんで年間死亡者が最も多い肺がんの新しいタイプの薬として、昨年12月に承認、公的医療保険が適用された「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)。臨床試験(治験)では高い治療効果が示されたが、高価な医療費が課題になっている。
■「転移消えた」「効かない人も」
「肺がんのステージ3、5年生存率は20%です」
東京都内で居酒屋を経営する角地(つのぢ)龍治(りゅうじ)さん(63)は昨年5月、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)で告知された。3、4年前から体がだるく、思い切っての受診だった。
翌月に入院して抗がん剤と放射線治療を受け、その後は月1度の血液検査を続けた。しかし、12月のCT検査で、同じ左肺に2カ所で転移が見つかった。
「今月承認された新しい薬を使いますか?」。担当の後藤悌(やすし)医師からオプジーボの使用を提案された。「ただ、効く人と効かない人がいます」「(効かない場合)自宅療養か施設に入るかを選ぶ時期も来るかもしれません」と心の準備も求められた。
残り:1877文字/全文:2317文字
トップニュース
新着ニュース
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!