韓国製半導体に赤信号、在庫が過去最高水準

 需要が減少する中、半導体メーカーの技術革新で生産量は急増している。サムスン電子は今年、回路線幅が18ナノメートル(1ナノは10億分の1)のDRAMの量産を開始。SKハイニックス、米マイクロンも20ナノメートル台前半のDRAMを生産し、生産量は以前よりも20-30%増えた。技術革新が市場にショックを与える「革新のパラドックス(逆説)」に陥ったことになる。

 中国メーカーのメモリー半導体市場進出も潜在的な脅威だ。サムスン電子は中国・西安市に大規模な半導体工場を持つが、中国の武漢新芯集成電路製造(XMC)、清華紫光集団(清華ユニグループ)は、中国政府の支援を受け、メモリー半導体工場の建設を進めている。XMCは早ければ18年にも量産を開始する。業界関係者は「中国製半導体は、家電製品などに使われるローエンドの半導体市場ではかなりのシェアを獲得する可能性がある」と指摘した。

■今年後半に市況回復か

 韓国半導体業界は、早ければ第3四半期から半導体景気が回復に転じると期待している。今年下半期には米アップルのiPhoneの新製品が発売される上、華為(ファーウェイ)、OPPO、VIVOなど中国のスマートフォンメーカーも6ギガバイトクラスの大容量DRAMを搭載したスマートフォンを発売すると伝えられる。

 半導体業界関係者は「メモリー半導体市場は、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンが市場を三分しており、過去のようなチキンゲームは起きないだろう」と話した。過去2-3年の好況期に韓国の半導体メーカーは四半期ごとに1兆ウォン以上の営業利益を上げ、不況期を乗り切る能力を蓄えているためだ。

 ビッグデータとクラウドの市場拡大も好材料だ。そうしたサービスを実現する大容量サーバーに搭載される半導体は、パソコンやスマートフォンに搭載される製品よりも大容量で単価も高い。サムスン電子の場合、収益性が高い高価格製品は第1四半期にも販売が伸びている。

 東部証券のアナリスト、ユ・ウィヒョン氏は「現在はメモリー半導体市場が下降線をたどっているが、過去と同様、3年以上不況が長期化することはない。サーバー用半導体など高価格、高性能の半導体市場を攻略し、収益性を高める戦略が求められる」と述べた。

カン・ドンチョル記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国製半導体に赤信号、在庫が過去最高水準

right

関連ニュース