PM2.5排出量、正確な統計を出せない韓国

 韓国国民が微小粒子状物質(PM2.5)に悩まされているが、環境部(省に相当)はPM2.5がどこでどれだけ排出されているかという基本的な統計さえ正確に算出できずにいることが23日、分かった。

 環境部は先ごろ、2013年に首都圏で排出されたPM2.5を前年比6%(474トン)増の8835トンと集計した。ディーゼル車の排出量が3769トン(42.7%)で最も多く、主に軽油を使用する建設機械や船舶の排出量も3328トンで37.7%を占めた。軽油がPM2.5の汚染源の8割以上を占めているということだ。

 だが、道路近隣の地域や工事現場、空き地などで飛散する微粒子、屋外での焼却や炭火焼きの飲食店などで発生する微粒子はこの統計に含まれていない。政府関係者は「欧米などは飛散微粒子の発生量について統計を取っているが、韓国はまだ排出量の計算方法を確立できていない状態。公式統計を出すにはあと数年かかるだろう」と話している。

 さらに、環境部が集計した13年のPM2.5排出量(8835トン)には、ディーゼル車などからガスとして排出される窒素酸化物(NOx)、火力発電所などから排出される硫黄酸化物(SOx)が大気中で化学反応して2次生成されたPM2.5は全く含まれていない。

 特に、ディーゼル車が実際の路上走行で認証基準の4-10倍多いNOxを排出することを環境部は11年に把握していたにもかかわらず「この部分を国の統計に含めていないのは問題」(環境専門家)と指摘される。ある大気汚染専門家は「国は正確な統計を出せないため、大気汚染の改善策もきちんと樹立できずにいる」と批判している。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者
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