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 外国産冷凍豚肉の輸入価格を水増しして、計約61億5千万円の関税を免れたとして、東京地検特捜部は25日、いずれも千葉県柏市の畜産物輸入販売会社「ナンソー」と「OAK」などの実質経営者田辺正明容疑者(69)=同県我孫子市=ら4人を関税法違反の疑いで逮捕し、発表した。地検は認否を明らかにしていない。

 他に逮捕されたのは、いずれも会社役員の斉藤秀人(40)=同県柏市=、豊島良和(50)=同県流山市=、山本貴之(45)=東京都世田谷区=の3容疑者。

 発表によると、田辺容疑者らは、国内産より安い外国産豚肉を輸入する際、国内の生産者を保護するために設けられた「差額関税制度」を悪用。2013年4月までの1年間、570回にわたり、外国から輸入した冷凍豚肉の価格を水増しして税関当局に申告し、本来納めなければいけない関税計約61億5300万円の支払いを免れた疑いがある。

 田辺容疑者は同県柏市の食肉卸会社「ナリタフーズ」の社長だった07年、同様の手口で関税約59億6千万円を脱税したとして千葉地検に逮捕・起訴され、12年9月に懲役2年4カ月、罰金1500万円の判決が確定している。