北陸新幹線の敦賀以西ルートについて、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会は27日、JR西日本が提案し福井県も支持している小浜・京都ルートなど三つのルートを盛り込んだ中間報告をまとめた。国土交通省に対し、所要時間や距離、事業費、需要見込みなどの調査を発注した。結果が出る半年後に議論を再開し、年内にも与党としてルートを決定する。大阪開業は「10年以内」とし、そのための予算措置を政府に強力に求めていく方針を確認した。
3案は小浜から南下し京都駅につなぐ小浜・京都ルートのほか、小浜、舞鶴を経由して京都駅を通る舞鶴ルートと、琵琶湖の東側を走る米原ルート。米原ルートは米原駅で乗り換えて、新大阪まで東海道新幹線を利用するとした。
京都から終着駅の新大阪までは、大阪府箕面市周辺を通る(東海道新幹線の)北側ルートを調査対象として想定。京都、大阪、奈良にまたがる「けいはんな学研都市」(関西文化学術研究都市)付近を経由する南側ルートについても「参考として」調べるよう求めた。
関西空港への延伸について「北陸新幹線整備計画の範囲外」とする一方、検討委とは別の場で早急に検討すべきとした。
会合の冒頭、検討委員長の西田昌司参院議員は「今年中にコースを絞り込み、何としても大阪開業を10年以内で行いたい。今後どれだけ予算の積み増しができるかにかかっている」と述べた。財源確保については、検討委とは別に建設国債などで予算を確保する仕組みを作る方針。
検討委は昨年8月から、関係自治体やJR、有識者らから意見を聞きながら議論を重ねてきた。福井県から滝波宏文参院議員が事務局長として出席した。