青春真っ盛り、21歳の夏に、
フラワーカンパニーズというバンドを知った。
当時のぼくはなにかとモヤモヤを抱えていて、
若きころ特有の「走り出したい衝動」に駆られていたのだが、それを行動に移すまでの勇気はなかったんだ。
しかしフラカンの音楽に触れたとき、
あまりにも自然にそのエネルギーが爆発した。
カッコいい大人に出会った。そんな感覚があった。
フラワーカンパニーズとは
フラワーカンパニーズ(Flower Companyz)は、1989年に愛知県名古屋市にて結成された日本のロックバンド。男性4人によって構成される。
なんと全員が40歳を超える。こんなにカッコいいおっさんたちは見たことがない。
自分たちでレーベルを立ち上げたのち、
年間100本を超えるライブをおこなった。
機材車に乗り込み、全国を回ってライブをするというスタンスを、インディーズ時代から今でもずっと続けている。
まさに日本一のライブバンドである。
メンバー
グレートマエカワ(1969年9月27日) - ベース バンドのリーダー。インディーズ時代のマネージメントは、スケジューリングからグッズの売り子まで、彼が引き受けていた。
それもそのはず。結成のキッカケ↓
鈴木・マエカワ・小西は同じ中学校の同級生。竹安はマエカワと同じ高校の同級生である。マエカワと竹安、鈴木と小西でそれぞれ別々のバンドを組んでいたが、大学生のときに集まってフラワーカンパニーズを結成する。 フラワーカンパニーズ - Wikipedia
深夜高速
(YouTubeページに飛んでから見られます)そのフラカンには「深夜高速」という 代表曲がある。これがほんとうに良い曲で、ぼくの青春時代を加速させてくれた。
目の前のことしか見えていなくて、今向き合っていることが人生のすべてで、今しかできないことを追いかけていた青春時代。
そんなかけがえのない時間を過ごしているなかで感じるモヤモヤや輝き、そしてどうしようもない夜ってあるとおもう。そんなうやむやな感情を見事に代弁してくれて気持ちのいいほどに叫んでくれる。
そんな名曲「深夜高速」について書いていく。
目的地はないんだ
青春ごっこを今も 続けながら旅の途中
ヘッドライトの光は 手前しか照らさない
真っ暗な道を走る 胸を高ぶらせ走る
目的地はないんだ 帰り道も忘れたよ
青春時代の、ゴールの見えないもやもやと、
なぜだかそこにワクワクしている感覚が、
当時のぼくにとてもリンクしたんだよね。
なにも見えないけれど、がむしゃらに走る。
なにも見えないけれど、がむしゃらに走る。
ライトは手前しか照らしてなくて、前は見えない。
目的地はなくて、帰り道も忘れた。
そんな「今」に集中しているような時間が
あの頃、たしかにあったんだ。
寂しいけど現実。そんな刹那を受け入れることも「生きる」ということなのだろうか。
若さは素っ裸で、無防備で、傷つく。
ゆえに学ぶことは多くて、あたまの良い人間ってやつは、いつしか「傷つかない生き方」をできるようになる。もしそれが大人ってやつなんだとしたら、ぼくは素っ裸のままでいいなって思わされるような歌詞だった。
どこまでも持ってけ
僕が今までやってきた たくさんのひどいこと
僕が今まで言ってきた たくさんのひどい言葉
涙なんかじゃ終わらない 忘れられない出来事
ひとつ残らず持ってけ どこまでも持ってけよ
良い思い出ばかりがその人を輝かすわけではなくて、過去の悩みや苦しみや失敗たちが人としての深みを作り、輝かすのかもなあ。なんて感じて、今まで「いらないなあ」とおもっていた自分の背負ってる荷物に感謝をした。
サビにて全力で叫ぶ「生きていてよかった」というフレーズ。
こんなに気持ちよく、自信満々に、胸を張って、「生きていてよかった」と叫べたらどんなに幸せだろうか。
去年の9月、群馬の水上の山奥のフェスにて
初めて生でフラカンの深夜高速を聴いた。
今までの人生をすべて肯定してやる。
そんなメッセージを感じたのを憶えている。
今後の人生のなかで「生きていてよかった」と
言う機会は何回あるのだろうか。
できればそんな瞬間だらけの生き方をしたいな、なんて贅沢なことを考えてにやにやしている僕は、まだまだ青春真っ盛りだ。
(YouTubeページに飛んでから見られます)
フラワーカンパニーズHP→フラワーカンパニーズ | OFFICIAL WEBSITE