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【社説】

温暖化対策 伊勢志摩から風よ吹け

 パリ協定。地球の未来をかけた温暖化対策の新たな国際ルール。それはまだほぼ空っぽの大きな器だが、中身を詰める作業がドイツで始まった。伊勢志摩サミットで、強い追い風を吹かせたい。

 四月二十二日、アースデイ(地球の日)。米ニューヨークの国連本部。“試合前”のセレモニーは盛大だった。

 昨年末、パリの気候変動枠組み条約第二十一回締約国会議(COP21)で採択された温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」の署名式には、百七十五の国と地域が参加し、署名した。

 温暖化問題に対する国際社会の姿勢を象徴するかのような、かつてない規模だった。

 署名とは、国として協定の内容を確認し、賛同するという意思表示。それを受け、各国の国内法による正式承認、すなわち批准の手続きに入る。

 パリ協定が発効する条件は、五十五カ国以上が批准し、その温室効果ガス排出量の合計が、世界全体の55%以上になることだ。

 排出量トップの中国と二位の米国が、年内批准を表明しており、早期発効は確実視されている。

 パリ協定では、“全員参加”を最も重視した。

 米中を含むすべての締約国が、温室効果ガスの自主的な削減目標を国連に提出し、産業革命前からの世界の気温上昇を二度未満に抑えるため、今世紀末までに排出量を実質ゼロにするとした。

 新ルールは“大枠の大枠”が決まっただけだ。

 発効、すなわちルールの運用開始に向けて、その中身を詰める交渉が、二十六日までドイツのボンで開かれている第一回パリ協定特別作業部会(APA1)で始まったばかりである。

 そしてその日から、伊勢志摩サミットが開かれる。パリ協定採択後初のサミットだ。

 気候変動・エネルギー問題は、伊勢志摩サミットの主要テーマの一つ。地球の未来を担うパリ協定にスタートダッシュがかかるかどうか、議長国日本の責任は重い。

 史上初の温暖化対策ルールである京都議定書はその名の通り、日本で採択された。ところが、3・11後の日本は特に、温暖化問題に消極的だと言われている。自主削減目標のレベルも“野心的”とは言い難い。

 持ち前の省エネ技術に磨きを掛けて、この分野で再び世界をリードできるか否か。サミットは国内的にも大きな転機になるはずだ。

 

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