沖縄県で米軍属の男が女性の遺体を遺棄した事件をめぐり、中山成彬 前衆議院議員がツイッターにてコメントを表明していました。
先日の日本武道協議会でも発言したが、護身術を身につけることを勧める。東大の空手演武会で女子部員による普段は禁じ手の護身術が披露された。必須化5年目の中学武道だが、柔道と剣道が殆ど。空手、合気道、少林寺拳法を増やしたい。下手に日本女性に手を出すと逆にやられるぞという風評を広めたい。
— 中山なりあき (@nakayamanariaki) 2016年5月22日
な・ん・ぞ・こ・れ。(눈_눈)
護身術の有効性
護身術として武道や格闘技を習うことは否定しません。私自身も小学校から高校まで道場に通ってました。やめた今も練習は続けてます。
組手はたまに余興としてやる程度のノンコンタクトでしたけど、学ぶべき事は多かったです。
ノンコンタクトをバカにする人いるんですけど、ギアなしで自分よりずっと大きい人の生足が飛んできます。しかもある意味手加減ゼロですし。
実際、変質者に遭遇したときはその時の経験が非常に役立ちました。とりあえず肝が据わります。
でも、多少の護身術を身につけたからといって応戦をけしかけるのは一番やっちゃいけないことです。本当に信じられない。
つーか、兵法読め。
最大の利点は逃げ足が速くなること
非力な人間が武術を習うことで得られる一番の利点は逃げ足が速くなることです。
殺気というのは訓練次第で不思議と判るようになるもので、少しくらい離れてても尾行されたら早い時点でそれと気付きます。
暴漢のターゲットにされたとき、間合いを詰められる前に離脱できるのはかなり大きいです。
受け身は役に立つ
あと、受け身を習うタイプの武術は確かに良いかもしれません。身の危険を回避するための直接的なメリットとして掲げて良いと思います。
慌てて逃げる途中で転んでも一連の動きを止めないまま体勢を立て直すことが出来ますし、交通事故に遭っても状況次第でかなり軽症で済んだりします。
応戦は危険
武道や格闘技は当然護身術として役に立ちます。それでも少しかじった程度の人が暴漢に立ち向かおうなんて考えちゃダメです。
仮に相手が何らかの格闘技経験者の場合は動きが読めないから怖いし、未経験者の場合はキレたとき何をしでかすか判らないから怖いし、うっかり反撃してまともに入っちゃったらこっちも傷害取られるかも知れないわけで、怖さしかない。
逃げ一択ですよ。それ以外の選択肢は基本的に存在しません。
向こうが武装してるかどうかも判らない状態で、相手の体格に合わせて骨を折らない程度に加減しつつ、一発で確実に沈められる自信があれば返り討ちにすれば良いと思います。
私にはとても無理です。
体格差をひっくり返すのは不可能
10代から新卒くらいまでの10年以上、ポケモン図鑑がフルコンプできそうな勢いで変態に遭遇してきました。その経験から後進のために書いておきますけど、プロの格闘家でもない限りウェイト差はひっくり返せません。
暴漢から見てターゲットの身長が2割ほど小さいとして、単純計算での体重差は8掛けの3乗となり倍くらいの違い( 0.8^3 = 0.512 )が出てきます。
女子供に向かって「応戦すれば良いだろう」とか言うおっさんは、めちゃくちゃ動ける130Kgくらい力士と一度スパーをしてみたら良いですよ。話をするのはそれからだ。
体重40Kg程度の女の子でも、真面目に鍛えればそれなりに強くなります。うまくすれば20Kg体重が違う相手を足止めするくらいのことは出来る。
でもそれは理想の条件で奇襲が成功した場合に限ります。絶対に成功する前提のシステムを組んだら、いつか必ず失敗する。
小柄な人間にとって、この世界は力で勝てない相手が圧倒的多数を占めるんです。法と文明的な秩序によって、たまたま平穏に過ごせているだけ。しかも暴力を力で制して過剰防衛と言われれば、今度はその秩序が牙を剥いて襲ってきます。
この底知れぬ絶望と恐怖にうちひしがれて、初めて「応戦すれば勝てるかも」などという甘い見通しを捨てられるようになります。一分一秒を争うときは、迷ってる暇はありません。極力選択肢を減らした方が良い。
理不尽な暴力からは逃げて下さい。
狙われる基準は美醜じゃなく雰囲気
あと性被害で狙われる基準は美形かどうかじゃなくて「ぱっと見で気が弱そうかどうか」でしょう。「何それ自慢?」とか「その顔で?」みたいな反応は本当にやめて欲しい。二次被害です。
政府や研究機関による具体的な被害傾向を探したけど見当たらなかったので身近な事例から適当なことを書きますが、被害に遭いやすい人の見た目は「標準の制服」「派手すぎないファッション」「黒髪」のケースが本当に多い。
被害を受けても騒ぐことのなさそうな物静かに見える子を選ぶ、悪質な計画性を感じます。
おわりに
もう本当に、体を鍛えれば勝てるとか思ってる人は物理学と歴史を勉強し直すと良いです。
経験上、格闘技は護身術にとても役立ちます。自分がいかに非力であるかを知るからです。万に一つの可能性は冷静に考えたらほぼゼロなので、体格の違う相手と組んではいけません。絶対にです。
やばいと思ったら逃げましょう。そのための技術を磨いて下さい。驚いてもフリーズしないように、やるべき事を事前に決めておきましょう。
また、不利な勝負を安易にけしかける人からは逃げて下さい。そういう人との接触は自分の生存確率を有意に下げます。戦術を学ぶということを、戦いに勝つための方法だと思ってる人がいくら何でも多すぎる。
実戦は、万策尽きたときの最後の手段なんです。
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