“インフルエンザウイルス遺伝子の変化を予測”開発

“インフルエンザウイルス遺伝子の変化を予測”開発
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インフルエンザウイルスの遺伝子の変化を事前に予測し、ワクチンが効きにくくなるのを防ぐための方法を東京大学などのグループが開発しました。グループは「その年に流行するウイルスの予測が外れ、ワクチンの効果が得にくくなる事態を減らせる可能性がある」としています。
インフルエンザは、毎年、どのタイプのウイルスが次のシーズンに広がるおそれがあるのか、流行前に採取したウイルスから予測してワクチンの製造を始めますが、製造開始は流行の半年ほど前で、その後、遺伝子が変化したウイルスが広がってしまうとワクチンが効きにくくなることがあります。
東京大学の河岡義裕教授などのグループは、人工的にウイルスの遺伝子を変化させる技術を使って自然界で起きるのと同じように遺伝子の異なるウイルスを10万種類作り出しました。そして、これらのウイルスのうちどのタイプが、ワクチンの効果をすり抜けて次のシーズンに流行の主流となっていくのか、研究室内の実験でこれまで以上に正確に予測できるようになったということです。
河岡教授は「実験室の中で流行が起きる前にワクチンが効くかどうかを確かめられるので、ワクチン株が違った結果、効果が得にくくなるという事態を減らすのに役立てられる可能性がある」と話しています。