「ニコ・コバチ監督は、荒ぶる長谷部よりもさらに整える長谷部を求めた」ドイツ・ブンデスリーガ1部・2部入れ替え戦 第2レグ ニュルンベルク-フランクフルト
フランクフルトホームでの第1レグを、アウェイゴールを与えての1-1で折り返してしまったフランクフルト。ニュルンベルクホームでの第2レグでは、必ず先制点が必要な条件とあって、やはり第1レグと同じようにフランクフルトが攻めてニュルンベルクが守る形になった。
マイヤーとセフェロビッチの2トップがマンマークで抑えこまれた第1レグの結果を受けてニコ・コバチ監督が取った作戦は、サイドの人数を分厚くして崩すというもの。最初のフォーメーションは一応4-2-3-1だったが、シュテンデラが前半11分にファビアンと交代すると完全な4-1-4-1になり、しかもSBはほぼ上がったままだったので実質的には2-1-4-3のような形で、第1レグで得点を決めたガチノヴィッチはウイングにポジションを取っていた。
ニュルンベルクは4-4-2で、2トップは守備時には中盤のフォローがメインでフランクフルトのDFラインにプレスをかけて来ない上に、長谷部が頻繁にCBの間に入って3バックのようになっていたので、フランクフルトの攻撃はほぼ長谷部からの縦パスが最初のスタートになっていた。そして4-4ゾーンの間にインサイドハーフやウイングの選手が交互に入り込んで長谷部からのボールを受けてリズムを作り出していた。が、ニュルンベルクGKシェーファーの度重なるナイスセーブや、守備陣の粘り強いタックルの前にフランクフルトはゴールを決められず前半を終了する。
後半13分に先制点が必要なフランクフルトはマイヤーを投入して2トップにし、前線での基点を増やす策に出る。すると後半21分に、左サイドでのパス交換からガチノヴィッチが強引なドリブルを仕掛け、最後は股抜きの折り返しを中に入れると、DFの前に足を伸ばして飛び込んだセフェロビッチが触ってとうとうゴールが決まる。
そこからのフランクフルトは、恥も外聞もない時間稼ぎに出始めるが、さすがにゲルマン人的にはやや遠慮があるのか中東のようにタンカが入るまで転げまわる事はやらないようだ。長谷部も一瞬倒れこむシーンがあったがすぐ立ち上がって整えていた(笑)。まあ、そういうチームには神様からしっぺ返しが来るもので、後半33分にはPA内からギースラソンにフリーでシュートを打たれたり、試合終了間際にはDFライン裏に抜けだされてのシュートという決定的なピンチを作られたが、何とか相手が外してくれて命拾い。終盤のパワープレイも何とかしのぎ切ってフランクフルトがめでたく1部残留を決めた。
今シーズンのフランクフルトは、戦術的には無策で長谷部を頑なにSBで使ったフェー監督のおかげでここまで苦しんだようなものであり、ニコ・コバチ監督が最初から指揮を執るであろう来期はそんなに心配する事は無いとは思うが、マイヤーの得点力におんぶにだっこ状態である状況は変わってないので、ひとまず前線の補強は必要だろう。とは言え、ここのフロントは相当怪しいので何をやらかすか分からないが・・・
まあとりあえず今のところはおめでとう! フランクフルト公式FBが、試合後の選手の様子を結構長いビデオに納めていたので貼り付けておく。優勝した後のシーンは時々見るけど、残留を決めた後というのはなかなか貴重だね。
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2016/05/25 | ドイツ・ブンデスリーガ
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