車に被害者DNA型 米軍属「刺した」
沖縄県恩納(おんな)村で同県うるま市の女性会社員(20)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊員の軍属、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)=同県与那原町=の車から女性のDNA型が検出されたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警はシンザト容疑者が女性を車に乗せて移動したとみている。シンザト容疑者は「刃物で刺した」と殺害をほのめかす供述もしており、県警は殺人容疑なども念頭に捜査を進めている。
捜査関係者によると、4月29日未明に女性のスマートフォンの位置情報が途絶えたうるま市州崎周辺の防犯カメラの映像から、米軍関係者が乗る「Yナンバー」の車両が走行していたことが判明。今月16日に所有者のシンザト容疑者に事情を聴いたところ動揺を示したため、車両の任意提出を求めて車内から血痕を見つけた。さらに女性のDNA型も検出されたという。19日に改めて事情聴取し、供述に基づいて女性の遺体を発見した。
遺体は歯型などから女性と確認されたものの、白骨化するなど損傷が激しく、20日の司法解剖で死因は特定できなかった。遺体周辺には着衣はあったものの、靴やスマートフォンなどの所持品はなかった。
シンザト容疑者は、米軍嘉手納基地(嘉手納町など)でインターネット関連の仕事をしていた。女性のスマートフォンの通信履歴などから2人に接点はなかったとみられ、県警は女性がうるま市内で偶発的にシンザト容疑者と出会って事件に巻き込まれたとみている。シンザト容疑者は最初の事情聴取を受けた翌日の今月17日に多量の睡眠薬を服用して救急搬送され、翌18日にも700ミリリットルのウイスキーを2本飲んで搬送されていた。【佐藤敬一、尾垣和幸】