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静電容量式タッチセンサシステム (第2世代タッチキー技術)

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静電容量式タッチセンサシステム (第2世代タッチキー技術) 開発効率を最大化するルネサスのタッチキー開発ソリューション

ルネサスのタッチキー開発ソリューション
All in Oneマイコンとすぐに開発可能な評価キットで、開発効率を最大化する

人と機械をつなぐ「HMI(Human Machine Interface)」、その優劣が製品価値を大きく左右します。組み込み機器のHMIに、指でオーバーレイをタッチしたり、指を滑らせて量を指定する、直観的な操作が可能な「タッチキー」の導入が急拡大しています。お客様のタッチキー開発のハードルを押し下げる、ルネサスのソリューションを解説します。

時代は「タッチ」!
スピードが増す、組み込み機器へのタッチキー採用

タッチキーの採用が急速に進んでいます。いまや、凸凹がない高いデザイン性と、直観的に操作可能な製品が、ユーザにとっては当たり前の選択になりました。拭き掃除が容易なこともユーザに好まれ、白物家電やヘルスケア機器を中心にタッチキーの採用が拡大しています。

さらに、電極が露出せず樹脂製オーバーレイの下にあることから、機材に水滴や粉塵が入らないといった耐環境性の高さ、そして、無接点による長寿命化が注目を集め、住設機器や工場などで使われる産業装置でもタッチキーの採用が急速に進んでいます。そのスピードは、今後、ますます早まるでしょう(図1)。

図1:さまざまな組み込み機器へのタッチキー採用が加速する

ルネサス第2世代タッチキーの特徴
高感度でノイズに強い!自己・相互の両方式対応で操作性アップ

デザイン面の要望を広く受け入れ、多様な素材や、自由なオーバーレイ形状を実現するには、容量変化の検出部分を高感度化する必要があります。ルネサスはノイズの影響をほとんど受けることなく、静電容量を電流に変換し増幅、数値化する回路を開発することにより、感度および耐ノイズ性を大幅に向上させることに成功しました。

従来、オーバーレイのアクリル板の厚さは2mm以下を推奨していましたが、第2世代タッチキーでは厚さ10mmのアクリル板を使っても、指先の接近を検出でき、IEC 61000 4-3/4-6 level3の厳しいノイズ試験をクリアできます。また、手袋装着時や指を若干浮かした状態での操作も行うことができ、オーバーレイと電極の間に若干、空気層があっても操作可能です。

さらに、水滴の付着による誤検知を防ぐ「相互容量方式」にも対応しました。自己容量と相互容量の両方式に対応したことで、高機能なユーザインタフェースを実現、ワンランク上の操作性を実感いただけます。

静電容量タッチキーの検出方式

(1)自己容量方式

タッチキーは、電極と人体(指先)の間に生じる静電容量の変化を検知しています。従来から使われてきたのが「自己容量方式」です。この方式は単一の電極と人体(指先)との間の静電容量を検知して、タッチ状態かそうでないかを判断します。電極が一つであるため構造が簡単です(図2)。

電極を持った回路は、電極と大地の間に一定の静電容量(寄生容量)を持っており、指先が電極に近づくと、新たな静電容量が発生します。自己容量方式では、この増加分の静電容量を検知してタッチかどうかを判断します。

この方式では、操作面に液体が付着した場合も、液体により静電容量が増加するため、正確な検知が困難です。

(2)相互容量方式

「相互容量方式」は、送信電極と受信電極を用いて電界を発生させ、送受信電極間の電界変化を検出します(図3)。この方式では、操作面に液体が付着しても電界がほとんど変化しないため影響を受けず、水がかかるような厳しい利用環境で利用できます。また、自己容量方式で電極をマトリクス(格子)状に組んだ際、2点以上を同時に押した際に発生する「ゴースト」が発生しません。そのため、少ない端子数でも多くの電極を形成でき、マルチタッチも可能になり、単純なON/OFFを上回る操作性を実現します。

相互容量方式では、送信電極にパルスを加え、受信電極との間に電界を形成します。指先が近づくと、電界の一部が指先側に移り、受信電極で検知する電界が減少し、静電容量も減少します。この容量減少を捉えて、指先の接近を検出します。

この方式では、電界を発生させる二つの電極が必要となるため、電極設計は、自己容量方式以上に気を配ることになります。

図2:自己容量方式の仕組み

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図3:相互容量方式の仕組み

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タッチキー感度の自動調整ツール

タッチキーの開発で、設計者を煩わせる主問題として、感度の調整があります。例えば、量産時オーバーレイがフラットでない場合、電極との間に空気層ができ充分なタッチ感度が得られなくなります。また、ガラスやアクリル以外の素材を利用したり、湾曲面への適用を検討する際でも感度の問題はついてまわります。

タッチキーの感度に影響する寄生容量は、電極ばかりか基板形状の影響も受けてしまうため、実際に電極および配線を組み上げた状態で寄生容量を測定しそれに応じて感度パラメータを調整します。測定の結果、感度が許容範囲外となった場合は、形状デザインの段階に戻り、設計をやり直さなければならなりません。

パラメータ調整が手軽に行えないと、開発工数は増大する一方となってしまうのです。

図4:Workbench6では、GUIベースで電極パラメータを設定し、結果を自動的にソースプログラムに反映する

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(1)タッチキー感度の自動調整ツール「Workbench6」

第2世代タッチキー技術はルネサス独自の技術導入により感度自動調整ツール「Workbench6」でタッチキー感度を簡単に調整することができます。

Workbench6はGUIベースのツールです。タッチキー評価ボードにある電極の寄生容量等を自動測定することで、最適なパラメータをセットできます。また、開発者が実際に電極に触れることで、タッチ検出のしきい値を設定することも可能です。また、手が近づいた際の容量変化はグラフに示されるので、ユーザは簡単にしきい値を設定できます。タッチ式のスライダやホイールでは、指を滑らせた時にタッチキーがどこの位置を検出しているかが可視化され、追随性も確認できます。

Workbench6を使用する最大のメリットは、これらすべてを「タッチキーの動作状態で試行でき、結果を即座にソフトウェアに反映できる」ということです。従来の開発プロセスは、「測定→パラメータを計算→ソースプログラムのパラメータ部分の修正→ビルド」といった手順を経ていました。Workbench6の導入により、このプロセスが大幅に自動化され、開発工数が劇的に削減できます(図4)。開発経験および専門知識が無くてもタッチキーシステムの導入が可能です。

こちらからWorkbench6のユーザーズマニュアルをダウンロードいただけます。

(2)すぐに開発が可能な「タッチキー評価キット」

本評価キットは、CPUボード、自己容量方式/相互容量方式の各種形状の電極を搭載したタッチキー評価ボードWorkbench6、評価用ソフトウェアなどがセットになっています。

電極の形状は、自己容量方式を用いるか、相互容量方式を用いるかで変わってくるため、方式に合わせて基板試作する必要がありました。本評価キットには耐水性や近接なども評価できる4種類の基盤が同梱されており、使用シーンに合わせたタッチキーの評価が行えます。電極の形状設計を省略し、すぐにタッチキーを用いたUIを試せるため、大幅な工期短縮が期待できるのです。

静電容量タッチキーシステム(第2世代)に関する技術資料や開発ツールなどの詳細情報をご覧いただけます。
ドキュメント(第1弾製品「RX113」のデータシート、マニュアル等)
アプリケーションノート(検出原理の解説、リファレンスガイド等)
エコシステム情報
評価ボード情報

 

 

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