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舞踊家の青山氏の名取の地位確認 除名処分は無効

花柳寛氏

東京地裁判決 流派内処分を「法律上の争い」と判断

 日本舞踊の最大流派・花柳(はなやぎ)流の三代目家元、花柳寿輔(本名・若葉)さん=2007年死去=の遠縁で舞踊家の青山貴彦氏(40)が、四代目を襲名した花柳寛氏(85)から花柳流名取を除名された処分の無効と名取の地位確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を認めて青山氏が花柳流名取の地位にあることを確認した。

     裁判所が伝統芸能の流派内の処分を判決で無効とするのは異例。寛氏側は、この点が法律上の争いにならないと主張したが、岩井伸晃裁判長は「名取は一定の修業と試験を経て認定される資格で、出演料や弟子の教授料を受ける職業活動の基礎をなすもの」として、法律上の争いに当たると判断した。

     花柳寛氏は三代目が死去した翌月の07年6月、四代目家元の襲名を発表。青山氏は「03年に三代目から後継指名されていた」と主張したが、寛氏は青山氏に対し14年4月に花柳流名取からの除名を通知した。青山氏は同年6月に提訴した。

     判決は、寛氏の四代目としての正統性は否定しなかったものの、「寛氏が四代目就任を強引に推し進めた側面は否定しがたく、青山氏が疑問を呈するのは相応の理由があった」と指摘。「青山氏に著しい非行行為があったとは言えず、除名処分は裁量権を超えている」と述べた。

     判決後、青山氏は報道陣に「主張が認められ、大きな第一歩。今後は流儀の発展のために尽力したい」と話した。【伊藤直孝、島田信幸】

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