東海 NEWS WEB
東海 NEWS WEBへ
NHKサイトを離れます
WEBニュース特集
堀川を取り戻せ

(2016年5月20日放送)

名古屋市の中心部を流れる堀川に親しみを持ってもらおうと、さまざまな催しが行われています。
経済成長と生活の変化の中で、一度は汚れた堀川を、再び市民が集まる場にしようとする動きを、名古屋放送局・酒井麻利子リポーターが取材しました。

ゴンドラで結婚式

堀川に浮かぶゴンドラの上で行われた結婚式です。
式を挙げたのは名古屋市に住む青木翔さんとあかりさん。
指輪を交換し満面の笑みを見せました。

2人は「多くの方に見守られる中、式を挙げることができて人生で一番幸せな日です」と話しました。

堀川に親しみを

結婚式を企画したのは市民グループのリーダーをつとめる石浦薫さんです。
堀川に親しみを持ってもらおうと様々な催しを行っています。
石浦さんは「堀川の存在すら忘れてるというか、知らないひとも多いです。堀川の川面で過ごす時間に目を向けてもらいたい」とその狙いを話します。

かつてはにぎわいの中心

堀川は、名古屋城から名古屋港がある河口までの約10キロを結んでいます。
実は江戸時代にお城の築城にあわせて掘られた人工の川なのです。
浮世絵に描かれた堀川の川辺には花が咲き誇り、川面は小舟が行き交っています。
街のにぎわいの中心となっていました。

明治になると、資材で使う大量の木材や生活物資を運ぶ船が盛んに行き来し、近代化が進む名古屋の街の発展を支えました。

一変した姿

しかし戦後になると、堀川の姿は一変します。
家や工場から排水が流れ込み、水質が悪化しました。
たまったヘドロは悪臭をはなち、人は近づかなくなりました。
昭和40年代に汚染はもっともひどくなったといいます。

当時の堀川を知る人たちは「とにかく臭くて汚いという印象しか残っていません」とか「ごみがいっぱい浮いてました。とにかく臭くて近寄りたくなかった」と振り返ります。

堀川再生のために

時代は平成に移り、美しい堀川を取り戻したいとの思いから、行政や市民の取り組みが盛んになりました。
一時に比べてゴミや臭いも減ったといいます。

堀川のまわりには、市民が手入れした花を飾り、川を彩るイベントも行われています。
結婚式を始め多くの催しが企画されるようになり、少しずつ活気が戻ってきました。

これからの堀川

市民グループの石浦さんは、川がもとの姿を取り戻し、人々が再び集う場所になるよう願っています。
「みなさんにもう一度目を向けてもらって、実際に水辺から街を見てもらいたい。堀川の川辺が、川を通して娯楽を楽しめるような空間になればいいなと思います」

名古屋市も計画

堀川について、名古屋市は、6年前に整備計画をまとめ、水質をさらに改善させ多くの生き物がすめる川を取り戻す対策を進めています。
堀川の結婚式は、希望者がいれば随時受け付けているということです。
問い合わせ先はNPO法人「ゴンドラと堀川水辺を守る会」
電話番号090-4155-6132の石浦薫事務長までお願いします。

WEBニュース特集
このページの先頭へ