【ロサリオ・カステリャノス】満月に照らされたミステリアスな女性の正体は?
ども、おっさんです。
今日はロサリオ・カステリャノス生誕91周年とのことでGoogleのホリデーロゴ(Doodle)になってますね。
ロサリオ・カステリャノスって?
多くの日本人が(おそらく99%以上)が初めて耳にした人名だと思います。だってWikipediaすら無いんですから。
この謎の人物は、20世紀のメキシコで最も影響力のあった女流作家・詩人・ストーリーテラーで特にフェミニストとして大きな影響を残しています。
1925年にメキシコで生まれた彼女はメキシコ国立自治大学を卒業した後、メキシコの先住民族の困難や、女性の生き方などをテーマとし、文学の道に進むこととなりました。
彼女の偉業は国からも評価され、1971年にはイスラエル大使に任命されました。
しかし1974年8月7日、彼女は自宅にて不慮の事故(感電と言われています)で49歳の若さで命を落としました。
代表的な著書としては「バルン・カナン」が有名です。
「フェミニスト」としてのロサリオ・カステリャノス
結婚前の女性は、スペイン語圏にあってはセニョリータ(señorita)と呼ばれるのが一般的です。1964 年に発表した短編「“狂想曲”ワルツ」の冒頭で、彼女はセニョリータの呼称についてこう語っています。
尊敬語である。ある一定の年齢に達するまでは。それ以降は、躊躇やからかいをもって発話されるようになり、屈辱的な哀しみとともに秘密裡に囁かれるようになる 。
女は、結婚前はセニョリータと呼ばれ、結婚するとセニョーラ(señora)になりますが、ある程度の年齢になってから結婚しない女に対する敬称はありません。
「独身女性」と訳されるソルテーラ(soltera)という一語の単語がありますが、それは単に状態を表す言葉で、本人のいないところでは当人を蔑む呼称ともなります。
カステリャノスは、そうした女性たちを作品中に多く描き込みました。*1
「バルン・カナン」について
「バルン・カナン」は現代フェミニズム文学の先駆として知られています。
内容としては革命動乱期メキシコのドラスティックな躍動のなかでインディオと非インディオの確執を中心に、不正や迫害に苦しむインディオの姿を透徹したリアリズムで描いた作品となっています。
日本語訳としても発売されているようですので、機会があれば読んでみたいですね。
おわり