AWSの本を2冊書いていますが、AWS認定資格を1つも持っていませんでした。(正確に言うと、ソリューションアーキテクトのアソシエイトを持っていたけれど、2016年4月末で有効期限切れで失効していました。)会社の後輩たちが、どんどんプロ資格を取っていって疑いの目を向けられるようになってきたので、これはまずいと受験することにしました。昨日受けて無事合格したものの、幾つか反省点があるのでまとめてみます。
AWS認定資格の概要
AWSの認定資格は、2016年5月現在では2つのレベル・3つの分野があります。まずエントリーレベルであるAssociateは、一番メジャーで全般的な知識を問うSolutions Architect、開発者向けのDeveloper、運用管理者向けのSysOpsの3つがあります。そして下位の資格を持っていないと受験できないプロフェッショナルは、Solutions ArchitectとDevOpsがあります。DevOpsは、DeveloperもしくはSysOpsのどちらかの資格をもっていれば受験できます。何となくRPGの合成職みたいで厨二病な感じがしますね。
試験範囲は、AWS認定の準備からそれぞれの資格に遷移し、試験ガイドのPDFを落とすことで解ります。例えば、SAプロの場合は、下記のような出題範囲と配点になっています。
分野 | 試験に占める範囲 | |
1.0 | 高可用性および事業継続性 | 15% |
2.0 | 原価計算 | 5% |
3.0 | デプロイメントマネージメント | 10% |
4.0 | ネットワーク設計 | 10% |
5.0 | データストレージ | 15% |
6.0 | セキュリティ | 20% |
7.0 | 拡張性と伸縮自在性 | 15% |
8.0 | クラウド移行およびハイブリッドなアーキテクチャ | 10% |
分野の中で扱う内容は、ガイドの中に細かく書いています。
AWS認定ソリューションアーキテクトの勉強方法
上記を踏まえてどう勉強するかです。試験の出題者の意図としては、試験対象の範囲の知識を満遍なく持っていて、その中から適切なアーキテクチャを選択できるかという点にあります。ということは、当然試験範囲のサービスについては把握しておく必要があります。またAWS認定試験の特徴としては、具体的なシーンに基いて解決策を求めるという傾向があります。その為、サービスの知識だけではなく、実践的なアーキテクチャ設計の経験が必要になります。その辺りを踏まえて効率的に勉強するとしたら、下記の優先順位あたりかなと思います。
- サービス概要を読む
- よくある質問を読む
- AWSクラウドサービス活用資料集のBlack Beltを読む
- ホワイトペーパーのベストプラクティスを読む
- AWSのサービスを実際に触る
- クラウドデザインパターン設計ガイドを読む
- パターン別構築・運用ガイドを読んでくれると嬉しいなぁ
概要を知った上で、サービスに触れる・デザインパターンを知るということが特に重要になります。
弱点補強
SAプロの試験の範囲に、専用線サービスであるダイレクトコネクトや複数のアカウントでの認証連携があります。何気にここが弱点になっている人が多いのではないでしょうか。そもそもダイレクトコネクトを設置する機会は少ないはずです。また複数アカウントを運用するという経験も、利用環境によっては全くない人もいると思います。ここの部分、自習方法があるのでやっておく方がよいかもしれません。
ダイレクトコネクトについては、AWS専用線アクセス体験ラボです。これは実際にオンプレミスのルーターを設定して、AWS Direct Connectを使ってVPCに接続するハンズオンとなっています。私は参加したことがないのですが、参加した人に聞くとかなり実践的で勉強になるそうです。一度手を動かしているのと動かしていないのでは、勉強するにしても情報の吸収力が違います。東京・大阪に限定されていますが、ぜひ一度受けてみると良いのではないでしょうか。
次に複数アカウントの連携です。これは2つのアカウントを使って試してみましょう。クロスアカウントでロールによって認証などの経験があると、STS周りの説明を聞いた時に理解が進むはずです。アカウント複数作っても、IAMだけだと無料です!
感想
受かって良かった