【社説】北朝鮮は誠意を見せ、韓国は対話の綱を放すべきでない

【社説】北朝鮮は誠意を見せ、韓国は対話の綱を放すべきでない

2016年05月24日13時21分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  北朝鮮が20日、南北軍事会談を持とうという公開書簡を送ったのに続き、21日には自ら閉鎖した軍通信線で人民武力部名義の対南通知文を国防部あてに送ってきた。これに対し国防部は昨日、「緊張状況は北側の核実験とミサイル挑発の行動による」とし、非核化の意志がない北朝鮮の提案を断固拒否した。韓国社会の雰囲気も冷淡だ。北朝鮮の対話提案には非難一色だ。

  北朝鮮は今年初め、4回目の核実験を実施し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)用長距離ロケットも発射した。このため国連安全保障理事会が北朝鮮経済を制裁する対北朝鮮決議案(2270号)を発表したが、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射するなど挑発をやめなかった。9日に終わった労働党第7回大会でも「責任のある核保有国」を云々しながら核兵器を恒久的に保有すると宣言した。

  その北朝鮮がいかなる態度の変化もなく無条件に軍事会談を開催しようと提案したのは誠意がないと見るしかない。典型的な「挑発-緊張-会談-挑発」パターンの反復だ。北朝鮮の対話攻勢には、南北緊張緩和を渇望する韓国国民をそそのかして内部葛藤を助長しようとする計算もある。

  また、北朝鮮の対話提案には、徐々に制裁の強度を高める国際社会の協調を揺さぶろうという意図も見える。スイス政府は18日、北朝鮮の資産を全面凍結した。スイスには数十億ドルの(金正恩)秘密資金が隠されているという観測がある。19日にはロシアも中央銀行を通じて北朝鮮との取引を禁止すると発表した。北朝鮮には非常に大きな衝撃だ。

  北朝鮮がこのような国際制裁を避けながら核開発を完成するための時間稼ぎ用として見え透いた軍事会談の提案をしたのなら、それは明らかに錯覚だ。これまで消極的だった中国とロシアまでが積極的に変わったのを見ても、今回の国際制裁は以前のようなレベルで終わりそうではない。北朝鮮は核にこだわる限り生存が難しいという点を一日も早く悟り、常時開かれている南北間の対話の場に誠意をもって臨まなければいけないだろう。政府も北朝鮮の非核化原則を守りながら対話の綱は決して放してはいけない。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事