後藤一也
2016年5月23日18時45分
プロジェクションマッピングの技術を使って、動きまわる生物の特定の細胞に常に光で刺激を与えられる「ロボット顕微鏡」を、大阪大と東北大などの研究チームが開発した。
英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。阪大の木村幸太郎准教授(神経科学)らは、1秒間に200枚の高速撮影によって移動する生物を自動追尾できる機能に、プロジェクションマッピングの技術を組み合わせ、特定の細胞を狙って光の刺激を与えられるようにした。
この装置を使い、線虫に4カ所あるドーパミンを出す細胞に光で刺激を与えると、頭部の背中側にある1カ所だけ、えさがないのにえさを見つけた時と同じ変化を示した。えさを発見した時にどの細胞が働いているのか特定できた。
線虫の神経細胞ではたらく遺伝子の多くはヒトに似ている。木村准教授は「線虫の神経活動を明らかにすることで、高等動物の脳の仕組みがわかるきっかけになる」と話す。(後藤一也)
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