しかし、実際には任期中に推進してきた「アジア重視政策」の延長線上で、中国をターゲットにしたというのが専門家の分析だ。香港城市大のジョナサン・ロンドン教授は「今回の訪問は過去に敵対国だった両国が関係を正常化する最終段階だ。両国は(中国けん制という)戦略的目標を達成するために必須のパートナーだ」と分析した。
中国は表面的には不満を表明していない。中国外務省の華春瑩副報道局長は23日の定例会見で、「ベトナムと米国の関係正常化が地域の平和と安定、発展に役立つことを望む」と短くコメントした。しかし、中国の新華社は22日の論評で、「こうした関係改善が米国によって第三国の戦略的利益を脅かし、さらには被害を与える手段として利用されてはならない」と指摘した。
オバマ大統領はクアン国家主席のほか、グエン・ティ・キム・ガン国会議長、グエン・スアン・フック首相、グエン・フー・チョン共産党書記長らベトナム首脳と相次ぎ会談後、25日に日本に向かう。日本訪問は伊勢志摩サミットへの出席が目的だが、ハイライトは27日午後に広島を訪れ、平和記念公園で献花を行い、太平洋戦争で犠牲になった全ての人を慰めることだ。ホワイトハウスは、その対象には日本人だけでなく、韓国人を含むアジア人、米軍戦争捕虜なども含まれると説明した。