近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史
この本の要約をPDFでダウンロード
要約者レビュー
今日の世界を見渡してみると、大国アメリカが世界をリードし、ここ数十年で破竹の勢いで国力を伸ばしている中国は世界の工場として君臨、我が国日本も戦後高度成長を遂げ、国土は小さいながらも世界有数の経済大国として位置づけられている。しかし、今では当たり前であるこのような情勢は、人類の歴史においてはほんの最近のことであり、アメリカが真に世界の覇権を握るようになったのもここ1世紀ほどのことである。
今ではなかなか考えにくいが、16世紀~17世紀はアジアが世界の中心であった。中国の王朝のみでなく、インド大陸から西アジアにかけて複数の王朝が繁栄し、栄華を極めていた。18世紀末になると、イギリスで始まった産業革命がヨーロッパ各地に波及し、諸国で工業化が進展するとともに、市民革命でいち早く「国民国家」の意識が育まれたこともあいまって、19世紀にはヨーロッパが世界の覇権を握るようになる。ヨーロッパ列強は植民地政策でアフリカやアジアにも進出し勢力を広げるが、20世紀になるとアメリカが台頭し、現在の世界地図が徐々にでき上がっていく。
各国の歴史は緊密に繋がっていて、あらゆる事象には因果関係があり、それ一つだけを取り出しても正確に理解することはできない。なぜアジアが世界の中心になったのか、そのアジアがなぜ衰退しヨーロッパに取って代わられたのか、新大陸アメリカがどのように世界の中心に位置するようになったのか。本書を読むことで、ぜひその全貌を紐解いていただきたい。 (和田 有紀子)
著者情報
出口 治明
ライフネット生命保険株式会社、会長兼CEO。1948年、三重県美杉村生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴い現社名に変更。2013年より現職。旅と読書をこよなく愛し、訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊を超える。歴史への造詣が深く、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では歴史の講座を受け持った。著書に『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『直球勝負の会社』(ダイヤモンド社)、『仕事に効く教養としての「世界史」』(祥伝社)、『「働き方」の教科書』(新潮社)、『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎新書)。『生命保険とのつき合い方』(岩波新書)などがある。
評点(5点満点)
総合

4.0
革新性

4.0
明瞭性

4.5
応用性

3.5
本書の要点
- 16世紀は、明、ムガール朝、サファヴィー朝、オスマン朝という四大帝国が世界に君臨した時期であり、アジアが世界経済の過半を担っていた。
- 長い間ユーラシアでは、騎馬隊が最強の軍事...
続きを読むには会員登録が必要です
新規登録
ログイン
この本の要約をPDFでダウンロード
本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は株式会社フライヤーに帰属し、事前に株式会社フライヤーへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
Copyright © 2016 flier Inc. All rights reserved.
新潮社
「全世界史」講義 II
4.0
和田 有紀子
2016-05-20
「全世界史」講義 II
1512
週間ランキング
著者:ジェームズ・M・クーゼス, James M. Kouzes, バリー・Z・ポズナー, Barry Z. Posner 著 関 美和 翻訳
著者:三島 和夫 著 ナショナル ジオグラフィック 編集