クロマグロ資源回復に向け定置網漁を管理へ

クロマグロ資源回復に向け定置網漁を管理へ
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減少が続く太平洋クロマグロの資源の回復に向けて、水産庁は、大量の漁獲につながる可能性のある定置網漁を全国規模で管理することで計画的な漁獲につなげる、新たな取り組みを始めることになりました。
太平洋クロマグロを巡っては資源量の減少傾向が長く続いていることから、国際的な枠組みで漁獲量の制限が行われ、日本も全国を6つの海域に分けて毎年の幼魚の漁獲量にそれぞれ上限を設けています。
しかし、複数行われている漁法のうち定置網漁については、大量のマグロの群れが一度に漁獲されるケースがあり、上限を守りながら計画的な漁獲を進めることが難しいという課題がありました。
このため水産庁は、定置網漁を全国規模で管理する新たな取り組みを始めることになり、24日に開かれた有識者による会合に案を示しました。
それによりますと、都道府県ごとに定置網漁を行うことができる期間を指定し、事実上定置網漁の回数を制限します。これによって、予想外に大量にクロマグロが漁獲されるケースを減らし、計画的な漁獲ができるようにするということです。
この取り組みに参加するかどうかは、各都道府県が決めることができますが、今のところ、北海道や青森県など17の道府県が参加の意向を示しているということです。
水産庁は「クロマグロの資源管理をしやすくする仕組みであり、都道府県や全国の漁業者に参加を促していきたい」と話していて、近く正式に決定することにしています。