2010年に打ち上げられ、同年に金星周回軌道への投入に失敗するも2015年に執念で軌道投入を成功させた、金星探査機「あかつき」。現在も金星の観測を続けるそのあかつきから、金星の夜側の雲の動きがよく分かる画像が撮影され、今回JAXAがアニメーションにして公開しました。
上の画像では眩しく光っている方が太陽を向いている「昼側」、縞模様が見えるのが「夜側」となります。撮影は36万kmの位置からIR2波長2.26μmにて、4時間の間に金星表面を10度移動する「スーパーローテーション」を撮影しています。
金星は地球より太陽に近いことから、その大気はより高温で密度が高くなっています。また大気はほとんど二酸化炭素で組成されており、平均温度は500度にも達します。さらに自転と公転の関係から、昼と夜がそれぞれ約58日も続くことも特徴です。
さらに、金星の上空には秒速100mにも及ぶ「スーパーローテーション」という風が吹いています。このスーパーローテーションは金星の自転速度よりも遥かに早く、4日で金星を一周します。そして、スーパーローテーションがなぜこのような超高速で金星を周回しているのかは未だに不明です…。まさに、宇宙の神秘ですね。
Image Credit: ISAS/JAXA
■金星周回軌道投入後に撮影した画像
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/akatsuki/compile/gallery.shtml