ペルー、違法金鉱の水銀汚染で環境緊急事態を宣言
2016年05月24日 14:58 発信地:リマ/ペルー
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【5月24日 AFP】ペルー政府は、違法の金鉱から漏出している水銀により人体や魚が汚染されているとして、アマゾンの熱帯雨林地帯(ペルーアマゾン)を擁する11州について、環境緊急事態宣言を発令した。
官報での発表によると、ペルー南東部マドレデディオス(Madre de Dios)州での検査の結果、「最大許容濃度を超える水銀汚染が、河川の水や水生生物、地元住民に影響を与えている」ことが確認された。住民の体内から検出された水銀濃度は「深刻で慢性的で複雑な健康問題を、特に子どもと妊娠している女性に引き起こす可能性がある」と述べている。
報告では「違法鉱山での金の採掘による不適切な処置」によって汚染が起きていると非難している。マヌエル・プルガルビダル(Manuel Pulgar-Vidal)環境相は、環境緊急事態宣言の下で、現地で医療支援を実施し、汚染されていない食料も供給すると発表した。またこの地域で一般的に食用に供されるナマズ類について、水銀に汚染されているため食べないよう当局が住民らに通達している。
同相は「マドレデディオスの違法採掘によるダメージは今後80年続くだろう」と会見で述べた。(c)AFP
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