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怒りと痛み抑えられぬ 女性団体が記者会見

沖縄県うるま市の女性が遺体で発見された事件を受け、怒りの声を上げる女性団体の代表者たち=那覇市の沖縄県庁で2016年5月20日午後1時17分、佐藤敬一撮影

 「基地の島」で再び起きた凶悪犯罪に沖縄の強い憤りの声が渦巻いている。沖縄県うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかり、元米海兵隊員で米軍属の男(32)が逮捕された事件。女性団体の代表らが20日、県庁で記者会見し、戦後繰り返されてきた米軍関係者による残虐な事件に涙し、怒りの声を上げた。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の全面返還合意につながった約20年前の少女暴行事件の時のように、沖縄の反基地感情が爆発している。

 「怒りが痛みを持ってわき上がるのを抑えることができない。沖縄に暮らす私たちはみな、自分にも起こり得たことだと言葉を失い、痛み苦しみを共にしている。真に安全な社会を実現するため、沖縄から全ての基地・軍隊の撤退を求める」

 沖縄で女性の人権を守る活動を続けている「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表(76)は会見の冒頭、オバマ米大統領や安倍晋三首相に送ることを決めた要求書を厳しい表情で読み上げた。また、22日に米軍キャンプ瑞慶覧(北中城村など)前で抗議集会を開くことを明らかにした。

 会見に参加したのは約20人。横一列に座り、次々と強い抗議の意思を示しながら、時折涙ぐむ人もいた。

 沖縄では1995年9月に少女が米兵3人に暴行される事件が発生し、県民の反基地感情が爆発した。あの忌まわしい事件から約20年。今回の会見に臨んだメンバーの多くが、当時も実施された抗議活動に参加していた。高里さんもその一人。「20年、本当に変わっていない。このようなことが起こり続けて20年ですよ。もう嫌になります。なぜこういうことを言い続けなければいけないのか」

 今回の事件は、政府が進める普天間飛行場の県内移設への反対を含め、沖縄での基地撤去の動きを加速させている。会見に参加した女性たちは口々に語気を強め、「米軍基地がある限りこのような事件は繰り返される。沖縄の女性や子供の命を守るためには基地の即時撤退しかない」などと主張した。

 学生団体「シールズ琉球」のメンバーで同県名護市の名桜大4年、玉城愛さん(21)は、遺体で見つかった女性と同年代である自身を重ね、涙ながらに訴えた。「私も(被害者と同じように)夜に歩きに行ったりする。被害者はもしかしたら私だったかもしれない。これから沖縄で生きていく女性として、自分たちの人権がないがしろにされ続けて生きていくのは嫌だ、と声を上げてほしい」【佐藤敬一】

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