福井県など10都府県でつくる北陸新幹線建設促進同盟会は20日、東京都内のホテルで建設促進大会を開き、敦賀以西ルートの年内決定を政府・与党に求めることなどを決議した。通常国会が6月1日に閉会すると参院選に事実上突入し、国土交通省が候補となっている3ルートの調査結果を発表する秋まで議論に空白期間が生じるため、約300人が要望の念押しに結束を固めた。
北陸新幹線敦賀以西ルートについて、「小浜・京都」と具体名を挙げて要望したのは福井県の西川一誠知事だけだった。ただ、大会終了後に記者団の取材に応じた石井隆一富山県知事と谷本正憲石川県知事は「国の調査結果で3ルートのメリット、デメリットが分かれば、おのずと納得できる結論が出る」とし、小浜を南下して最短距離で京都駅につながる小浜・京都ルート支持をにおわせた。
石井知事は「会長という立場上、前のめりに話すことはできない。国の調査結果を拝見してから、富山県の考えを述べることになるだろう」とした。その上で「福井県をはじめ、北陸3県で運動してきた結果、金沢開業につながった。だから福井県の気持ちはよく分かる。その気持ちをできるだけ生かして良い結果になればと思う」と述べた。
一方、谷本知事は石川県会が米原ルートを求める決議をしているため「自治体の場合、理事者と議会は車の両輪。議会の決議は重いし、尊重せざるをえない」との考えを示した。だが整備新幹線は国家プロジェクトである以上「各府県からいろんな意見が出ていても、国がルートを決めれば、自治体はそれに従うのが暗黙の了解だ」と述べた。
大会では、福井県に思わぬ援護射撃があった。泉田裕彦新潟県知事は「間違いのない方向でルートを年内に決めてほしい。運行するJRの意向が重要だ」と強調。JR西日本が提案している小浜・京都ルートの実現を暗に求めると、福井県議から「おーっ」という歓声や拍手が起きた。