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【千葉】

投票率UPには? ネット、罰金…アイデア続々

若者が選挙に関心を持つためのアイデアを発表する学生たち=千葉大で

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 「投票に行かなければ罰金を取る?」「投票に行くと、公共施設の利用が無料になる特典があったらいいかな」

 千葉大で十八日にあった若者の政治参加を考えるグループワーク。前回、若者が投票へ行かない理由を議論した学生たちは、五つのグループに分かれて「何を変えていくべきか」のアイデアを出し合った。

 教育学部三年の赤木亮さん(20)は「投票所の隣で、地元の商店街が祭りを開くのはどうかな」。投票率アップと地域経済を盛り上げる両方を考えて提案した。赤木さんは教員免許の取得を目指している。高校まで選挙といえば生徒会くらいしかなかった。「もし教師になって生徒から政治について質問されても、今の自分は答えられない」

 主権者教育の必要性を挙げる意見も目立った。ある男子学生は「高校など学校行事で、各政党の政治家が月に一度ほど講演するのもいい」と提案。赤木さんは「政治家が分かりやすく政策を語る姿を見れば、若者が投票するハードルが下がるのでは」と賛成した。

 複数のグループでは、投票を「権利」よりも「義務」と感じる学生が少なくない雰囲気があった。二〇一四年十二月に行われた衆院選について千葉大生の選挙行動調査(回答二百五十二人)でも、それを裏付ける結果が出ている。「投票は有権者の義務か権利か」を尋ねたところ、義務と感じがちな学生が半数以上を占めた。

 学生たちは、思い付いたアイデアを書いた付せんを次々に紙に貼っていく。若者が投票しやすいような投票の仕組みを求める声もあった。韓国・ソウル出身で工学部一年任賢珍(イムヒョンジン)さん(20)は、「韓国で選挙の日は祝日。子どもたちは、自分の学校が投票所になる」。

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 韓国の選挙権は、高校卒業後の十九歳以上。「日曜日だと学生もいろいろ予定がある。投票日が祝日になるのはうれしいから、若者も日本より投票に行っている気がする。これから参院選があるし日本の選挙をもっと知りたい」と語った。

 「ネット投票」の実現を期待する声も多かった。グループワークに参加した千葉市選管事務局の宮本道夫さんは「生まれた時から携帯電話があった若い皆さんの世代にとって、ネット投票を求めるのも自然なこと」と受け止めた。

 宮本さんは学生たちに、ネット投票は今のところ「成りすまし」の恐れが否定できないことから「本人確認や、投票の公正性が確保できるかが課題です」と説明。だが指紋認証など、技術的に本人確認がしっかりできれば不可能ではなく「若者が投票しやすい環境づくりの切り札になる可能性もある」と話した。 (中山岳、柚木まり)

 

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