新しい「抜け道」もできていた
官僚の天下りが大復活している。
たとえば経済産業省。東京電力福島第一原子力発電所の事故発生以来、経産官僚たちと電力業界との癒着が非難を受けたのは記憶に新しいが、いま再び業界への「天下り」をひっそりと再開しているというのだ。
業界関係者が明かす。
「天下り先は家庭の電気設備の調査などを行う電気保安協会、東京電力元会長の勝俣恒久氏が理事を務める日本電気協会などです。電力会社そのものに天下りをすると目立つため、業界の関連団体に天下りをするのが最近のやり口です」
財務省の天下りも完全復活している。
「政府系金融機関ではかつて天下り批判を受け民間からのトップ登用が進んだが、ここ数年で財務官僚がすっかり復権しました。日本政策金融公庫の総裁には元財務次官の細川興一氏が就任し、国際協力銀行の総裁も元財務官渡辺博史氏。日本政策投資銀行の副社長も元財務次官の木下康司氏で、財務省は政投銀トップへの天下り復活も目論んでいます。さらに商工組合中央金庫社長は元経産次官の杉山秀二氏と、やりたい放題です」(元経産官僚の古賀茂明氏)
あまり知られていないが、防衛省も天下りを解禁している。
かつて相次いだ官製談合事件で関連業界との癒着ぶりが糾弾されたにもかかわらず、現在まったく同じ構造が蘇っているのである。
「防衛官僚たちの天下り先の一例('14年実績)をあげれば、三菱重工に28人、三菱電機に10人、川崎重工に5人。いずれも防衛省から年間1000億円規模で受注している企業が、大量の天下りを受け入れている形です。ほかにも数百億円規模の受注をしているIHI、富士通、小松製作所、東芝、日立製作所に防衛省幹部が天下っている。防衛省は『特定の企業しか請け負えない』としてこうした企業に事業を発注して恩恵を与えることで天下り先を確保するのです」(共産党参議院議員の井上哲士氏)
他省庁の主要官僚たちの「再就職先」も以下、ざっと挙げて見よう。
●警視総監 → 富士通特別顧問
●警察庁生活安全局長 → 野村證券顧問
●経済産業省審議官 → 東京海上日動火災保険顧問
●中小企業庁長官 → 三井物産顧問
●農林水産省審議官 → 住友商事顧問
●国土交通省事務次官 → 損害保険ジャパン日本興亜顧問
●国土交通省都市局長 → 三井住友海上火災保険顧問
●原子力規制庁長官 → 日本生命保険特別顧問
●環境省事務次官 → イオン銀行会長……。
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