シリアで連続爆弾テロ 140人以上死亡

シリアで連続爆弾テロ 140人以上死亡
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シリア北西部にある2つの町で23日、爆弾テロが相次ぎ140人以上が死亡しました。これについて過激派組織IS=イスラミックステートとつながりがあるメディアはISが実行したと伝えましたが、アサド政権は、反政府勢力内の別の武装グループの犯行との見方を示し、情報が錯そうしています。
シリア北西部の地中海に面した2つの町、タルトゥースとジャブラで、23日、合わせて7回の爆発が同じ時間帯に連続して起きました。シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、一連の爆発による死者はこれまでに145人に上り、多くは女性や子どもだということです。
現場はバスの停留所や病院などいずれも人の多く集まる場所で、このうち2か所は、止めてあった車を爆発させたあと集まって来た人たちを狙って自爆テロを起こすという手口だったことから、入念に計画された犯行とみられています。
シリアの地中海沿岸部はアサド政権の支持者が多い地域で事件のあと、過激派組織ISにつながりがあるアマーク通信は、ISが、アサド政権を支持するアラウィ派を狙って実行したと伝えました。ただ、アサド政権は停戦の対象となっている反政府勢力内の武装グループの犯行との見方を示し、情報が錯そうしています。

ロシア大統領 アサド政権との連携強調

シリア北西部のアサド政権の支配地域で起きた連続爆弾テロを受けて、ロシアのプーチン大統領は23日、アサド大統領に弔電を送り、「テロの脅威に対抗するためシリアのパートナーとの共同作戦を継続する用意があることを確認する。罪のない犠牲者の血で汚れた犯罪者は、報復を免れない」として、引き続きアサド政権と連携する姿勢を強調しました。
また、ロシア外務省もコメント発表し、今回のテロについて、「ことし2月の合意から続く停戦状態を崩壊させるねらいがある」として非難しています。
ロシアのショイグ国防相は今月20日、過激派組織ISや、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」などに対して25日から空爆を再開する方針を示していて、シリア各地での戦闘の激化が懸念されています。