Posted May. 23, 2016 07:38,
Updated May. 23, 2016 07:48
17日未明に起きた「江南(カンナム)トイレ殺人」事件について、警察は22日、「精神疾患者による無差別犯罪」と結論付けた。ソウル地方警察庁科学捜査係・行動科学チームは同日のブリーフィングで、キム容疑者(34)について心理分析を行った結果、「女性たちが自分をけん制し、苦しめているという被害妄想から始まった犯罪だ」と明らかにした。警察は、プロファイラーを投入して、キム容疑者と2回面会した。
警察によると、キム容疑者は2003年から、「誰かが私の悪口をしている」と頻繁に訴えたり、座ったり立ち上がったりする行動を繰り返すなど、奇異な行動を見せた。2008年は、妄想や幻聴などの症状を見せる精神分裂症判定を受けた後、6回に渡って、計19ヵ月間精神病院で入院治療を受けた。
女性への被害妄想は、神学校に通っていた2014年から深刻化したことが分かった。女性たちが自分を過度にけん制している気がしたし、街中で知らない女性がタバコの吸い殻を投げれば、自分を狙ったものと思い込んだり、肩さえすれ違っても脅威を感じて、女性への反感が膨らんだというのが、キム容疑者の主張だ。
キム容疑者は今月5日、自分が働いていた飲食店での仕事が、接客から厨房補助に変わった。警察はこれが犯行の引き金となったとみている。仕事が変わったことも同様に、女性らの仕業だと信じたという。キム容疑者は、「このように(やられてばかり)していては自分が殺されそうな気がして、先に殺さなければならなかった」と供述したと警察は明らかにした。警察は追加の取り調べを行った後、早ければ26日、キム容疑者を検察に送検する予定だ。
一方、与党セヌリ党の沈在哲(シム・ジェチョル)議員は、多重利用施設の規模や設置時期とは関係なく、男女共用トイレを性別に分離する内容の公衆トイレ法の改正を推進すると、22日明らかにした。今回の事件の場所となった男女共用トイレが、性犯罪の温床になりかねないという東亜日報の指摘によるものだ。2004年1月から実施されている現行の公衆トイレ法は、男女スペースを分離させているが、その前に設置された公衆トイレや延べ面積が3000平方メートル未満の建物(1、2種の近隣説活施設は延べ面積が2000平方メートル未満)は、この法の適用を受けない。