事件から19年 土師淳くんの父 加害者の手記に憤り

事件から19年 土師淳くんの父 加害者の手記に憤り
平成9年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件で、小学6年生だった男の子が殺害されてから24日で19年になります。男の子の父親がNHKのインタビューに応じ、去年、加害者の元少年が手記を出版したことで深刻な被害を受けているとして、犯罪の加害者による著作物の出版を規制する必要があると訴えました。
平成9年、神戸市須磨区で起きた児童連続殺傷事件では、小学6年生だった土師淳くん(当時11)が、当時14歳の少年に殺害されました。
事件から24日で19年になるのに合わせて、父親の守さん(60)が、NHKのインタビューに応じました。
この中で、守さんは、「19年たっても当時のことは鮮明に記憶していますし、子どもへの愛情は何年たっても変わらない。亡くなっていようとも変わらない」と語りました。
一方、加害者の元少年が、去年6月、犯行のいきさつなどをつづった手記を出版したことについて、「完全に裏切られた。被害者や遺族が深刻な被害を受けているのに、出版社や元少年は平気な顔をしている。憤りを覚えるとしか言いようがない」と述べました。
守さんは、これまで毎年、元少年から手紙を受け取ってきましたが、ことしは受け取りを拒否したことを明らかにし、「重大な事件を犯した加害者が、手記の出版によって被害者にもう一度重大な被害を与え、大金をもうける。そんな社会でいいのでしょうか。加害者や出版社から出版の利益を没収しないかぎり、いくらでもこうした著作物が社会に出てしまう」と述べ、犯罪の加害者による著作物の出版を規制する必要があると訴えました。