ベネズエラ緊張高まる 南米諸国連合が事態収拾へ

ベネズエラ緊張高まる 南米諸国連合が事態収拾へ
南米ベネズエラでは、経済が混乱するなか、大統領の辞任を求めるデモ隊と警察との緊張が高まり、南米諸国連合は特使を派遣して事態の収拾に乗り出しました。
ベネズエラでは、反米左派のチャベス大統領が3年前に死去し、同じ路線のマドゥーロ大統領が就任しましたが、主な輸出品の原油の価格低迷などで年率180%を超えるインフレが起き、経済の混乱が続いています。
生活が苦しくなった市民はマドゥーロ大統領の辞任を求めて各地でデモを繰り広げ、警察が催涙弾を撃って鎮圧するなど緊張が高まっています。
このため、南米12か国が加盟する南米諸国連合は、事態を収拾しようと、今週からスペインのサパテーロ元首相などを特使として派遣しました。
サパテーロ元首相は、マドゥーロ大統領や対立する野党側の指導者などと会談を重ねたうえで、19日、記者会見し、「あらゆる手を尽くして、国全体を巻き込んだ対話を実現しなければならない」と述べ、対話を仲介してベネズエラの安定を目指す考えを示しました。
しかし、大統領を罷免しようと国民投票の実施を目指す野党側に対抗して、マドゥーロ大統領が非常事態を宣言するなど対立は激しくなっていて、事態を打開できるかは不透明な情勢です。