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 中国当局が「スパイ行為」にかかわった疑いで日本人男女4人を逮捕した問題で、昨年5月に浙江省で拘束された愛知県の50代の男性が今月、起訴されたことがわかった。日中関係筋が明らかにした。具体的にどのような罪に問われているのかは不明だが、男性は今後、裁判でスパイ行為について追及される可能性がある。

 男性は浙江省温州市沖の南●(なんき、●は「鹿」の下に「几」)列島で中国当局に拘束され、昨年9月に逮捕された。同列島は尖閣諸島(沖縄県)の北西約300キロに位置し、中国が軍事拠点の整備を進めているとされる。男性が軍事施設周辺で写真を撮っていたことがスパイ行為とみなされて拘束されたとみられる。

 どの裁判所で公判が開かれるかは不明だ。国家機密にかかわるとして非公開で審理される可能性がある。中国の法律は、スパイ行為で国家の安全に危害を及ぼした場合、最高刑を死刑と定めている。

 中国では、起訴された男性のほかに日本人男女3人がスパイ行為の疑いで昨年5~6月に拘束され、その後に逮捕された。3人は中朝国境に位置する遼寧省丹東、上海、北京で拘束されており、それぞれに関連性はない模様だ。

 中国政府は2014年にスパイ行為を具体的に定義した反スパイ法を、昨年には新たな国家安全法を施行した。習近平(シーチンピン)指導部は「海外の反中国勢力」の流入を防ごうと取り締まりを強化し、国家の安全を脅かすスパイ行為に厳しく対処する姿勢を見せている。(金順姫

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