カナダのインド人移民排斥 102年経て首相が謝罪

カナダのインド人移民排斥 102年経て首相が謝罪
およそ100年前にカナダで起きたインド人移民の排斥事件について、カナダのトルドー首相は首相として初めて公式に謝罪し、難民を積極的に受け入れている現政権として多様な文化が共存できる社会の重要性を訴えるねらいがあると受け止められています。
1914年、日本の船をチャーターしカナダのバンクーバーに到着したインドからの移民376人は、カナダで当時強まっていた移民への反発を背景に入国を拒否され、戻されたインドで治安部隊と衝突しおよそ20人が死亡したほか多くの人が逮捕されました。
被害者の家族などは長年、カナダ政府に謝罪を求めていましたが、トルドー首相は18日、首都オタワの連邦議会で演説し「被害者はこの謝罪を聞くことはできませんが、それでも心からおわび申し上げます」と述べ、首相として初めて公式に謝罪しました。そのうえで「過去の過ちから学び、繰り返さないことを約束します」と述べ、人種や宗教などに基づく差別の撲滅を訴えました。
カナダは去年の政権交代以降、内戦が続くシリアからの難民を積極的に受け入れるようになっていて、今回の謝罪は多様な文化が共存できる社会の重要性を訴えるねらいがあると受け止められています。
被害者の孫の男性は「うれしいです。謝罪が教科書に載り、差別が誤りだと皆が学べば同じことは繰り返されないでしょう」と話していました。