バレエ「ブノワ賞」 オニール八菜さん最優秀賞に

バレエ「ブノワ賞」 オニール八菜さん最優秀賞に
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世界的に権威のあるロシアのバレエ賞「ブノワ賞」の受賞者が、17日、モスクワで発表され、パリのオペラ座で活躍する東京都出身のオニール八菜さんが、女性ダンサーの部門で最優秀賞に選ばれました。
ブノワ賞はロシアを拠点とする舞踊関係者の団体が主催しているもので、毎年最も活躍したとするダンサーや振り付け師などを選ぶ世界的に権威のあるバレエ賞です。
ことしの受賞者の発表は17日、モスクワのボリショイ劇場で行われ、女性ダンサーの部門で、パリのオペラ座で活躍する東京都出身のオニール八菜さん(23)が、ドイツのバレエ団の女性ダンサーと共に最優秀賞に選ばれました。ナポレオンが率いたフランス軍の将校と、スペインで出会った娘との恋を描いたバレエの作品「パキータ」での踊りが評価されました。
オニールさんは母親が日本人で、幼いころに東京でバレエを習い始め、オーストラリアのバレエ学校に入学し、2009年にはスイスのローザンヌ国際バレエコンクールで優勝しています。
日本出身のバレエダンサーがブノワ賞を受賞するのは、おととしの木田真理子さんに続いて二人目となります。

オニールさん「まだびっくり」

ブノワ賞を受賞したオニール八菜さんは、18日、パリの空港でNHKの取材に応じ、「まだびっくりしていますが、とても感謝しています」と喜びを語りました。
受賞から一夜明けて現地時間の早朝にモスクワをたったというオニールさんは、パリの空港の到着ロビーに日本時間の18日夕方、到着しました。
オニール八菜さんは手にしていたものを見せながら「これがトロフィーです。こんなすてきなものが持てて信じられないですね。ノミネートされただけでもうれしくて、ボリショイ劇場で踊れるのがきっかけで行った感じでした。自分の名前が呼ばれたときは本当かどうか分からないくらいびっくりして夢のようでした」と喜びを表していました。
そして「賞を取ったからといって自分の踊りが変わるものではなく、毎日が大切なので、いつもどおり、こつこつやっていきたい」と今後の抱負を語っていました。
オニール八菜さんは東京・世田谷区生まれの23歳で、パリのオペラ座のバレエ団でシーズン契約を経て2013年に正式団員になり、さまざまな作品で主役を演じるなど活躍していて、現在は「ジゼル」の公演に向けて練習を重ねているということです。

オニールさんの指導者は

オニール八菜さんが子どものころに通っていたという東京・渋谷区にある「岸辺バレエスタジオ」の指導者、岸辺光代さんによりますと、18日午前3時半ごろ、オニールさんの母親から受賞を知らせる連絡があったということです。
岸辺さんによりますと、オニールさんは3歳から8歳まで岸辺さんの教室で学び、その後、父親の実家のあるニュージーランドに移り住んだあとも、毎年12月から2月ごろにかけて帰国し、指導を受けていたということです。
岸辺さんは「八菜さんは小柄でやせていましたが、中学生になったころから身長が大きく伸び、技術も伸びていきました。23歳にしてこれほど立派な賞を受賞するとは思っておらず、とてもうれしいし、驚いています」と話しています。